「ねえ、次の官営奴隷オークションに、ご一緒してくださらない?」
高等部で同じクラスだった貴族令嬢、澤弥さまが声をかけてきたのは、私たちが大学部に進んでひと月ほどが過ぎた頃だった。
この国には、厳然たる身分制度が存在している。
その制度が消滅していた時代もあるそうだが、少なくともその頃私は生まれていなかった。
ともあれ、身分制度の最上層は、澤弥さまのような貴族。その下に、私の家のような一定額以上の税金を納める上級市民。続いて人口の大半を占める下級市民がいて、最下層が奴隷階級。
上級下級の市民のあいだは、常に納税額によって身分は変わりうる。
また、さまざまな事情で、市民から奴隷の身分に落ちることもある。逆に奴隷から市民に、這い上がることも不可能ではない。
そして、貴族と上級市民のあいだにも、まったく流動性がないわけではない。複数の貴族に推薦されたうえで特別に認められれば、上級市民から華族に昇格することはできる。しかし身分制度復活以来、それはほんの数例しかない。
制度上、もっとも厳然たる境界があるのは上級市民と貴族のあいだだが、お互いの人口が少ないことも相まって、現実にはふたつの階級は近しい関係にある。上級市民の子は貴族と同じ名門校に通い、18歳の誕生日を迎え成人すれば、奴隷を所有できる。
そんな身分制度の下、私の家が下級市民から上級市民に昇格したのは、小学5年生の頃であった。
卒業まで1年と少しだったため、小学校はそのまま下級市民向けの公立校に通ったが、中学は全寮制の名門女子校に進んだ。
そこで出逢い、友だちになったのが、澤弥さまというわけだ。
はじめ、貴族ならではの伝統にとまどいを覚えた。今でも完全に慣れはしないが、それでも表面上は合わせて付き合えるようになった。
「わたくしたちの階級にとって、奴隷を持つことは成人の証ですわ」
そう言う澤弥さまが18歳の誕生日を過ぎても奴隷を所有していなかったのは、女子校の校則で、高等部までは奴隷の所有が禁止されていたからだ。
それが大学部に進み、晴れて奴隷を持てるようになった。
「わかりましたわ。父がの許可が出れば、ぜひご一緒させてください」
身につけたスキルでもって、私がにっこりほほ笑んで答えると、澤弥さまは表情を綻ばせた。
「よかった、美典さんと一緒なら、落ち着いて奴隷を選べそうですわ」
そして私の手を取り、夢見るように告げた。
「きっと美典さんのお父さまも許してくださいますわ。そうだ、わたくしの父から、お父さまに頼んでもらいましょう」
奴隷を持つことを許可すると父から連絡があったのは、その夜のことだった。
父はいつか、貴族階級に昇格することを夢見ている。娘を介してとはいえ、澤弥さまの家と親しい関係を持てることは重要だ。
その大事の前には、私が奴隷を持つか持たないかなど些事だったのだろう。
ともあれ、それからは特になにも問題は起きず、官営奴隷オークションの日を迎えた。
官営奴隷オークションは、貴族と上級市民の社交場でもある。当然参加者は正装でなければならない。
とはいえ、私たちが通う名門校は、大学部にも制服がある。学校の制服は、第一級の正装と認められる。
そして澤弥さまと同じ制服を着ていられることは、初めて社交場を訪れる私には、大いに助けになった。
澤弥さまは、貴族のなかでも上位の家柄。その令嬢と同じ制服を着、親しく接する私もまた、見る人には貴族と映るのだろう。
うやうやしく出迎えた支配人に案内され、私たちは一般席とは仕切られた特別席に着いた。
しかし、わたされた出品される奴隷の図録を、落ち着く暇はなかった。
澤弥さまの元には、居合わせた貴族や上級市民が次々と挨拶に訪れる。同じ制服を着て隣にいる私も友人として紹介されるから、逐一作法にのっとり挨拶しなければならない。
そんなことが十数回も繰り返されたとき、ようやくオークションが始まった。
まずは、奴隷番号1番から。
奴隷は『1』と大きく番号が書かれた全頭マスクを被され、首輪につながれたリードを引かれて現われた。
身につけているのは、全頭マスクと首輪、それにハイヒールのパンプスのみ。本来隠すべき場所は、いっさい覆われていない。
女奴隷がステージ中央に引き出されたところで、首輪の鎖が外される。全頭マスクが脱がされ、素顔が露わになる。
同じ女性としてそのあられもない姿を直視できず、かといって不自然に目を逸らすこともはばかられ、図録のページを開く。
するとそこには、奴隷1番のプロフィールが記されていた。
姓名、生年月日、本籍地、奴隷になるまでの経歴、そして奴隷としての特徴。
それを見て、私は驚愕した。
出品された奴隷は、その身だけではなく、個人情報まで丸裸にされているのだ。
(こ、これが……)
奴隷の身分に落ちるということ。
そのことを思い知らされたところで、オークションが開始された。
「2千万」
「2千5百万」
次々と手が上がり、値段が上がっていく。
下級市民だった頃は、とうてい手が出なかった金額。しかし今なら払えない金額ではない。
とはいえ、どうしてもその金額で買いたいとは思わない。
そもそも私は誘われてついてきただけで、積極的に奴隷を持ちたいと思っているわけではない。
そんななか、1番の落札者が決まって2番。続いて3番。
4番めに出てきたのは、サラサラの長い黒髪の、いっけん清楚な女の子だった。
「メイド奴隷としての教育がきちんと施されているようですね……この子、よさそうですわ」
引き出された4番の子と図録を交互に見、澤弥さまがつぶやく。
そして優雅なしぐさで、軽く手を挙げた彼女が告げた金額は、それまでの入札価格の倍の金額だった。
一瞬どよめく会場。声の主が澤弥さまだと知り、ため息とも感嘆とも取れる声が聞こえる。
結局それ以上の声はかからず、4番は澤弥さまに落札された。
続いて5番、6番。10番を過ぎる頃には、私もオークションの雰囲気に慣れてきた。
16番めで澤弥さまがふたりめの奴隷を落札し、次は17番。
登場に先立って図録のページをめくり、私は目を剥いた。
「……!?」
そこに記された奴隷のプロフィールを見て、息を呑んだ。
伊東依織。その名を、私は知っていた。
(ま、まさか……!?)
鼓動が速くなる。
(い、依織……なの?)
それは小学校の頃、手をつないで登下校していた、一番仲のよかった女の子の名前だった。
記された生年月日は、彼女の誕生日だった。
小学校は、一緒に通った地元校。中学校は、その小学校の卒業生の大半が通う、地域の学校だった。
間違いない。偶然の一致などであるはずがない。
そう考えて顔を上げると、17番の奴隷が引き出されてきた。
これまでの奴隷と同じ、番号が記された全頭マスクと鎖つきの首輪。だが、それ以外の装具が違った。
両の乳房の頂には、ぷっくり膨れて屹立した乳首を、残酷に貫ぬくピアス。
ウエストを、きつく締めあげるコルセット。
そのコルセットからベルトで吊られた、タンガと呼ばれる極小パンティ。
ガーターで吊られたストッキング。
両腕は背中でひとつにまとめ、1本の棒のように縛める革の装具――そのときはまだ、アームバインダーという名は知らなかった――で拘束され。
足元はふつうのハイヒールパンプスではなく、バレエのポワントを強制するようなブーツ――それがバレエヒールという名だということは、のちに知った――を履かされて。
そのブーツのせいで、まともに歩けないのだろう。
狭い歩幅でヨチヨチと、よろめきながら17番の子が引き出される。
「あれは……」
「ああ、調教済みの中古奴隷だ」
どこかで誰かが言い合うなか、ほかの奴隷の倍以上の時間をかけ、17番がステージ中央にたどり着いた。
そして鎖を引く係員に促され、17番が背中を見せたとき、私はもう一度目を剥いた。
コルセットに吊られたタンガの後ろ部分は、金属製の肛門栓になっていたのだ。
「おい、見ろよ」
「ああ、おそらく肛門を拡張されすぎて、閉じなくなっているんだ」
ひそひそと交わされる会話に、あらためて図録を見ると、その点も明記されていた。
奴隷17番――依織が奴隷として売られたのは、18歳の誕生日のことだった。
奴隷の所有を認められる年齢が18歳であるように、奴隷として売られることが認可されるのも18歳以上。
つまり、売買できるようになってすぐ、待ってましたとばかりに彼女は売られたのだ。
依織のご両親はもともと、私の父と同じように上昇思考が強かった。娘どうしの仲がよかったことも相まって、はじめは私の父とお互に高め合うような間柄だった。
それが変わったのは、うちの家が先に上級市民に昇格してから。
その頃まだ子どもだった私にはわからなかったが、依織の家族には、嫉妬に似た感情が生まれていたのだろう。
依織の家に遊びに行っても、ご両親の態度はどこかよそよそしいものになっていった。それが娘どうしにも影響をもたらし、依織との関係も、少しずつギスギスしていった。
私が名門女子校進学をためらわなかったのは、そのせいでもある。
ともあれその後も、依織のご両親は上級市民昇格への思いを強くしていったのだろう。
その結果事業面で無理をして、かえって失敗してしまったこと。失敗の損失を補填しようと、あまりよくない金融業者に手を出してしまったことは、容易に想像できた。
それで、依織は売られてしまった。しかも官営オークションではなく、個人売買で、性奴隷として。あるいはそれは、いわゆる借金のカタというものだったのかもしれない。
ともあれ、売られた先の過酷な調教で、依織は取り返しのつかない身体にされた。
結果、わずか半年あまりで、依織は再び売りに出された。
今日、この官営オークションに、奴隷17番として。
(な、なんて……)
ひどい仕打ちなのだろう。
しかし、続いて聴こえてきた会話は、さらに残酷なものだった。
「これはたぶん、不要奴隷を処分するつもりで出品されたクチだな」
「ああ、官営オークションで売れ残った奴隷は、地下収容者送りと決まっているからな。待っているのは、死ぬまで性奉仕強制労働の地獄の暮らしだ」
愕然としながら顔を上げると、係員が首輪の鎖を外し、全頭マスクを脱がせる。
しかしそれで、17番の顔が露わになるわけではなかった。彼女の顔の下半分は、全頭マスクや拘束具と同色同素材の、口枷に覆われていた。
(おそらく……)
依織は、自分が処分のつもりで出品されたことに気づいていた。
それで抵抗したため、厳しく拘束された。泣き喚いたため、口枷を嵌められた。鎖を外しても逃げられないよう、バレエヒールのブーツを履かされた。顔を上気させ、瞳が蕩けたように潤んでいるのは、肌に傷をつけない形で痛めつけられたせいかもしれない。
勝手に想像して胸を締めつけられるような思いに囚われるなか、17番のオークションが始まった。
しかし、誰も手を上げない。入札の声はかからない。
それはある意味、当然だったのだろう。ここに集まっているのは、全員貴族と上級市民。自動車に例えるなら超高級車を新車で買える人たちが、好き好んで中古車を買うわけがない。
買い手がつかないまま、時間だけが過ぎる。
(このままだと……)
17番は、依織は、地下収容所送りになる。そこで、性奉仕の強制労働をさせられ――。
そう考えたところで、私は手を上げていた。
意を決してそうしたわけではない。気づくと、私は手を上げて入札の意思を示していた。
私のことを知らないオークションの参加者は、貴族娘の酔狂だと思ったのかもしれない。
私のことをよく知る澤弥さまは、売れなければ処分される奴隷に同情しての行動と思ったのだろう。
总之,我的竞拍没有引起太大反响,也没有其他竞拍者出现,17号拍卖就此结束。
奴隶17号——依織被送来的,是当天晚上。那时我刚用完晚餐,正在宿舍的个人房间里休息。
这所名门女子学校从基础小学部到大学部一应俱全,学生多为贵族与上级市民的子女。像我这样中途入学的人也有,但属于少数。
总之,考虑到这是妙龄少女们聚集的宿舍,送依織来的职员全是女性。或许是为了避免尴尬。
没错,不是“带来”,而是“送来”。
依織被装在一个类似大型手提箱的金属箱子里,就这样被运送了过来。
“请签收。”
我签下交到面前的文件时,目光始终离不开依織的箱子。
“谢谢惠顾,期待您的再次光临。”
我以略显生硬的笑容回应了这句话,送走了配送员。
“咔嚓”一声,我锁上了门。
“呼……”
我吐出一口气,努力平复心情。
横倒在地上的金属箱,安静地一动不动。
(真的……)
我几乎无法确定,依織是否真的就在里面。
不过,箱子打开后不可能是空的。奴隶拍卖是官方运营的。如果是非法的地下拍卖,或许会欺骗客人,但公共机构不可能做出这种事。
“呼……”
我又吐了一口气,在箱子旁蹲下。
“咔哒、咔哒”,我解开锁扣,像打开手提箱一样掀开了箱盖。
里面,依織穿着与拍卖时相同的装束,以折叠双腿的体育馆坐姿被塞在里面。
箱子内侧衬有发泡聚氨酯缓冲材料。她被嵌入按人形挖出的沟槽中,即使没有束缚,依織也无法动弹。
“还活着……吗?”
我咽了口唾沫,把脸凑近戴着口枷的依織,首先感受到的是体温。接着,也感受到了从口枷开口处传来的呼吸。
我松了口气,仔细看去,发现她脸部周围的聚氨酯切口与箱子侧面的通风口是连通的。
大概,她就是靠这个呼吸的。通风口上安装了网格滤网,从外面看不到。
这大概是为了防止她在运输过程中受伤或窒息——不,这恐怕不是出于对依織的人道关怀。
而是花了大价钱购买奴隶的顾客所得到的,保证商品完好的一种“照料”。
“依織……”
我心中不忍,对被嵌在聚氨酯切口里、发出睡息的她轻声呼唤,但她没有立刻醒来。
大概是被安眠药之类的东西弄睡着了吧。
我这样判断,从依織脸旁方形切口里塞着的装备中取出了物品。
最上面是一件黑色连衣裙和白色围裙。这是听了泽弥大人的建议而指定的,女仆装。
把它拿出来后,下面出现了一个黑色的袋子。
上面写着“奴隶17号专用附件”。
我取出那个袋子。
“这是什么……落槌后的说明里没提到啊……”
我一边嘀咕,一边把袋子放在女仆装旁边。
然后,在最底下是一本A5大小的小册子。
翻开写着“奴隶17号使用说明书”的封面,读着内容,我被惊愕的内容吓得睁大了眼睛。
“唔,嗯……”
一声低沉的呻吟,依織睁开了眼睛。
她抬起头环顾四周,然后与我四目相对。那双眼睛在猛然睁大后,立刻染上了恐惧的色彩——
“依、依織……”
“呜呜呜呜!”
我呼唤她的名字,与她含糊的叫喊,几乎是同时发生的。
“呜呜呜呜!”
依織发出声音,手脚用力挣扎。
然而,被臂缚器紧紧束缚的手臂,连一丝也动弹不得。被嵌在聚氨酯切口里的身体,只能像弹簧一样抖动着。
“呜呜呜呜!”
即便如此,依織还是叫喊着,手脚用力。
我不知道她想说什么。她的声音被口枷阻隔,无法形成语言。
“依織,冷静点。”
我出声让她安静下来,并非担心她的悲鸣被别人听到。
宿舍的个人房间隔音效果很好,即使带进钢琴弹奏,其他房间也听不到。
我之所以试图让依織冷静,是因为曾被昔日的挚友投来恐惧的目光,听到她的悲鸣,这让我感到痛苦。
不过,真正痛苦的,恐怕还是依織吧。
无论我怎么试图让她冷静,她的态度都没有改变。
“是我啊,是美典啊。你明白吧?”
就算这样告诉她,结果也是一样。
于是,我意识到了。
如果设身处地地想一想,立刻就能明白。
(依織是……)
正因为认出了是我,才更加激烈地反抗。
(因为买下自己的是我……)
她因此感到更加痛苦,试图抗拒这残酷的命运。
如果买下她的是泽弥大人,或者不是泽弥大人而是个陌生人,依織也许不会这样闹腾吧。
(或许……)
买下依織,是个错误。
对她来说,被曾经的挚友饲养,或许比被送进地下收容所更加难受。
(但是……!)
我立刻改变了想法。
(就算那样……!)
我买下依織的事实,已经无法改变。
(所以,我……!)
要饲养依織。
既然存在着上级市民与奴隶的身份鸿沟,即使不能立刻恢复到过去的朋友关系,我也要珍惜她。
(为了传达这一点……)
果然,还是得先让她冷静下来才行。
于是,我想起了使用说明书中的一段话:
『当奴隶情绪不稳定时,使用附属的电气式抑制装置,可以使其变得顺从……』
电气式抑制装置,我不清楚那是什么。
不过,如果能让依織安静下来——
我这样想着,从黑色袋子里取出了一个手掌大小的开关盒。
“……!?”
仅仅是看到它,就感受到依織屏住呼吸的气息。
我模糊地想着,这大概是个很有效的装置,于是用手指按下了开关。
“呜呜呜呜呜呜!”
刹那间,依織瞪大眼睛叫了起来。
“什、什么情况!?”
突如其来的惨叫吓了我一跳,我立刻松开了手指。
“唔呜……”
接着,依織用盈满泪水的眼睛,怨恨地看着我。
(为什么……?)
为什么要那样看我。
(为什么……)
脸颊染上红晕。
她的眼神湿润,仿佛融化了一般。
我不明白。虽然不明白,但依織总算是暂时平静下来了。
“那么,先把你从里面放出来吧。”
我一边说着,一边抱起嵌在聚氨酯切口里的她的身体。
“嗯,唔……”
依織发出带着一丝甜腻的吐息,身体微微一颤,我把她从箱子里抱了出来。
接着,我搀扶着穿着芭蕾高跟鞋无法正常行走的她,在床边坐下。
“也把束缚具解开吧……”
话说到一半,我意识到所有的束缚具搭扣,都用挂锁锁着。
那么,至少先脱掉芭蕾高跟靴吧,可拉链却放不下来。仔细一看,拉链滑块上有一个小小的钥匙孔。
“连这种东西都……”
竟然也上了锁。
“这个,要怎么打开……”
我困扰地嘀咕着,想起了17号专用附件的袋子。
“对了,那个袋子里有钥匙……”
这么一想,我一看,里面有两种钥匙。
比较大的那个,是束缚具挂锁的钥匙。比较小的那个,应该是靴子拉链的钥匙吧。
我拿着两种钥匙,刚转向依織,又想起了从想象中推断出的束缚缘由。
依織意识到自己是被当作处理品出售,激烈反抗,因而被紧紧束缚。因为哭喊,所以戴上了口枷。为了让她即使挣脱锁链也逃不掉,才给她穿上了芭蕾高跟靴。
而且,为了不在皮肤上留下伤痕地折磨她,才让她脸色潮红,双眼湿润——
想到这里,我心头一惊。
那个时候的依織的表情,和现在的她一模一样。
(所、这么说……)
我喉咙“咕咚”一声,看向那个小小的开关盒,电气式抑制装置。
(这、这该不会是……)
是用来对依織施加某种惩罚,使其顺从的抑制装置吧。
(如果是那样的话……)
虽然当时是因为依織的暴动而慌了手脚,但我岂不是在不知不觉中,对她施加了惩罚?
“对、对不起,依織……”
我心中不忍,走近她,搂住她的肩膀。
“嗯呜……”
再次发出甜美吐息的依織,身体“啪”地一颤。
“嗯呜嗯……”
她用融化的眼神看着我。
她想说什么吗?想说什么,却被口枷阻隔了发声吗?
如果是那样的话,首先得把口枷取下来。
我这样想着,拿起了挂锁的钥匙。
首先是太阳穴位置的挂锁。
“咔嗒”,伴随着轻微的金属声,锁被打开了,接着是后脑勺的。
取下两个挂锁,解开了皮带。
然后,将塞入口中的金属筒,慢慢地抽了出来。
靠近筒根部的位置,有一个透明的树脂护齿。即使解开了皮带也没有脱落,大概是因为它紧紧地咬住了牙齿。
这是为了即使长时间佩戴也不会损伤牙齿和牙龈的考虑。同时,这也使得口枷能够进行长时间的连续佩戴。
不,恐怕重点放在了后者。
想到这里,我不知为何打了个寒颤。
是因为意识到沦为奴隶的可怕而感到寒冷吗?——不,不对。
这不是因为恐惧而产生的寒意。相反,我感到身体内部有一股燥热。
就像是感冒引起的低烧一样。
(为什么……)
连我自己也不明白为什么会这样。
总之,现在优先的是取下依織的口枷。
“啊呜……啊!?”
当金属筒被慢慢拔出时,依織的嘴角淌出了口水。
流下的口水沾湿了下巴,滴落在裸露的胸脯上。
“啊啊呜……”
或许是觉得羞耻,依織不安地呻吟着。
不过,金属筒还没有完全拔出。
怎么这么长。这么粗又这么长的筒,竟然能藏在口腔里。
恐怕筒的尖端,已经深入到了喉咙附近。
正因为如此,依織才完全失去了语言。佩戴时,筒的开口不易让口水流出。
正当我这样意识到时,筒的尖端终于从她口中出来了。
“啊呜……”
久违的,至少是几个小时以来的解放感,让依織发出了声音。
同时,尚未流尽的口水,从筒的尖端与她的唇之间拉出一条丝线,最后“啪”地断了。
“啊,啊呜……”
她试图吸回口水却没成功,口水再次沾湿了下巴。
“啊啊呜……”
她为此感到羞耻,又呻吟起来。
“没关系的,别在意。”
我微笑着这样告诉她,用手帕帮她擦了擦下巴和嘴边。
于是,依織看着我,张开了嘴。
“啊咿啊呜……”
是谢谢吗?她是想道谢吗?
大概是想对我道谢,但因为长时间佩戴口枷,嘴巴无法灵活活动了吧?
“没事的,还不用说话。等嘴巴恢复了再慢慢来……”
这时,依織拼命地摇了摇头。
“呜,啊啊嗯咿啊呜……”
然后,她用湿润的眼神诉求般地看着我,用几乎听不清的声音说道。
她一定,有非常想传达的事情。
“没关系的,慢慢来就好。”
我叫住她,在依织身旁坐下,搂住她的肩膀。
轻轻抚摸她微微出汗的肩膀时,依织含糊地嘟囔着什么。
“在说什么,嘴巴恢复了吗?”
我凑近脸想听清些。
这时,依织扭过上半身,把脸转向我。
“依、依织……?”
就在我们近距离对视,我心跳加速、张口欲言的瞬间——
依织主动吻上了我的唇。
“……唔!?”
我惊得屏住呼吸,唇却被紧紧吸住。
接吻?不,没那么浪漫。
吻?也算不上什么风雅之举。
那是近乎渴求、贪婪吞噬般的激烈亲吻。
我反射性想躲开,但依织的嘴唇追了上来。
身体重心后倾,被她用力压倒在床上。
这样一来,我更逃不开她的唇了。
不,不对——
依织还被手臂束缚器绑着,我本可以轻松推开她。她脚上穿着芭蕾高跟靴,逃开后她也追不上来。
但我就是做不到。
非但如此,我还担心压上来的依织会滑落,竟用双手扶住了她的肩膀。
连自己都不明白为何会这样。
根本无法思考,也无心思考。
只能任由依织单方面索求我的唇。
渐渐地,身体越来越热。
从深处涌起的燥热愈加强烈。
那热意化作块状,溢满少女的肉壶。
热蜜渗过那里,从肉缝间汩汩渗出。
内裤被浸湿时,我终于醒悟——
当初拍下依织时,我不假思索举手并非出于同情。
(那是……)
是因为我自己想要依织。
正因如此,我才没有拒绝她的吻,而是接受。
而那瞬间窜过全身、让我察觉身体燥热的颤栗,也并非源于感冒。
(我恐怕……)
得知依织被当作奴隶对待时,我竟感到了性兴奋。
(也就是说,我……)
从以17号身份被叫出起,我就无意识地渴望将依织当作奴隶占有、饲养。
因此,看到被处置为奴隶的依织,我才会感到性欲高涨。
当我清楚意识到这点时,依织松开了唇。
她含泪望着我,用娇媚的声音说道:
“求求你……让我更舒服些……”
从胸衣垂下、覆盖依织下身的系带三角裤,后面装着肛塞。
其下的女肉里插着假阳具。假阳具、金属肛塞,以及阴核上都装有通以微弱电流进行刺激的装置。
所谓电击抑制装置,便是包含启动开关盒在内的整套装置的总称。
我打开电源后,误将依织的娇喘当作惨叫,立刻关掉了开关。
也就是说,此刻的依织只被短暂赐予了性快感,随后便陷入被吊着胃口的状态。
她竟向我倾诉到这般地步,可见依织已被逼至绝境。
这并非因为她丧失了羞耻心。
即便是在发出下流索求时,她也曾犹豫不决。说话间双颊染红,恐怕也不仅因为性欲高涨。
依織强忍羞耻索求并倾诉,正是因为她正接受着性奴隷调教,肉体与精神都被训练成如此。
话虽如此,我也意识到自己深藏的渴望。受依織激发,我竟想占有她,想将她当作性奴隷对待。
“美、美典……求、求求你……”
望着依織为渴求快感而苦苦哀求的模样,我脊背窜过一阵令人战栗的愉悦。
依織渴望得到快感,我也同样渴求责弄她的快乐。
仿佛被本能驱使,我扬起嘴角。
“呐,你刚才叫我‘美典’?”
“诶……?”
“依織对‘主人’直呼其名吗?”
依織顿时露出恍然大悟的神情。
“对、对不起……因为您叫了名字,我不知不觉就……”
我不知道最初买下她的主人如何称呼她,但那定是明确奴隶身份的称谓。在官方拍卖会上,她被赋予的是17号。
也就是说,自沦为奴隶后,依織再未被呼唤过本名。
因此当被旧识直呼其名,她便不由自主地以旧日关系回应了。
这种心情我能理解。
但理解归理解,并不打算原谅。
正是依織唤醒了我深藏的本性。即便她并无此意,也必须为自己的行为付出代价。
明知自己蛮不讲理,却已无法忍耐。
“那么,你该知道该怎么请求了吧?”
我冷冰冰地丢出这句话。依織先是一愣,投来求救般的目光,随即放弃般垂下脸。
她离开床沿,踉跄着跪到我脚边,仰视着我开口:
“请、请赐予……卑贱的奴隷快感吧,美典大人。”
话音刚落,体内一阵悸动。
肉中的燥热愈发强烈,内裤的湿渍蔓延开来。
“呵呵呵……”
从心底涌起的笑意浮上嘴角,我拿出开关盒,故意展示给依織看——
然而我只用手指轻抚开关按钮,尚未按下。
为何不按下开关?为何她如此下贱地乞求,我却不给快感?
依織的表情道出了这般疑惑。
于是我触碰了她乳头上穿刺的乳环。
“呵呵呵……”
接着用手指捏住乳环轻轻一拉。
“唔、嗯……”
依織当即蹙眉呻吟。
是痛吗?不,恐怕不止痛。
“嗯、啊……”
呻吟后的吐息中混杂着甜腻。
她恐怕正从痛楚中获得远超其上的快感。
确认这点后——
“听好了,依織?无论多舒服,都不许乱动哦。要是动了会怎样……明白吧?”
“是、是的……我的乳头会、会被扯断……”
依織答话时,正被微痛、强烈快感,以及乳头断裂的恐惧同时折磨。
咔哒。
我的手指按下了开关。
刹那间,依織瞪大双眼。
“哈、啊……!?”
她一瞬张口喘息。
“哈、啊——!!”
紧接着,她艳声呻吟。
“啊咿、啊——!!”
身体剧烈弹跳。
“唔咿……咿……!?”
被我捏住的乳环拉扯着乳头,她发出短促的悲鸣。
“再乱动,乳头就要断了哦?”
我下流地说道,但这当然非我本意。
我正全神贯注地配合依織的动作,避免乳环过度拉扯乳头。若有突发状况,也做好了松手的心理准备。
但依織对此一无所知。
“啊咿……乳、乳头会断的,不要……”
她恐惧着这点,却仍被汹涌的快感吞噬。
“啊哈、啊啊啊——!!”
快感不断攀升。
我精准把握着依織的状态。
我并无调教性奴隷的经验,自身性经验也算不上丰富。
之所以能如此清晰感知,是因为对象是依織吗?还是因为我的本性已觉醒?
不得而知。但现在这些都不重要。
看着依織在乳头断裂的恐惧中不断攀升,我自己也愈发兴奋。
为确保乳头真的不会断裂,即便不断也避免给予过度疼痛——
我在内心某处保持冷静,又以那份冷静观察自己的兴奋,倒也别有趣味。
(我恐怕……)
自拍卖会重逢起——不,早在那之前,我就想如此责弄依織。
而依織也渴望被我责弄。
正因如此,两人才能以主人与奴隶的身份再度相见。
确信这点时,依織的攀升骤然加速。
“啊咿、啊、啊、啊——!!”
娇喘声变得急促。
高潮临近。
我自身并无此经验,也未曾让他人高潮,却确信无疑。
“啊、咿、咿啊——!!”
来了。依織的高潮降临了。
于是我出声命令:
“依織,高潮。看着我,高潮!”
“啊哈、是、是的……”
被命令的依織望向我。
她嘴角松垮地流着涎水,眉头扭曲成八字,双耳赤红,目光涣散地凝视着我。
“啊哈……要、要去了。”
她浑身一颤。
“啊、啊、啊——!!”
她双臂被束缚器锁住,腰肢被胸衣勒紧,穿着芭蕾高跟靴的双腿折叠成跪坐姿势。
在猛烈震动的假阳具与刺激肛门及阴核的电极驱赶下——
“咿、啊、咿嘎……!”
因乳环被拉扯,连快感中挣扎都不被允许,依織高潮了。
她跪在我脚边,仰视着我,达到顶峰。
“咿、唔咿……呜呜呜——!!”
随即高声宣告,被束缚的身躯剧烈痉挛——
“谢……谢您……的恩典……”
依織用彻底迷离的眼神望着我,说出感谢之词。
此后,数月流逝。
美典如今在我房间担任女仆。
她仍穿着系有机关肛塞的三角裤与长袜,外罩女仆装,双臂束于身后,口中衔着口枷。
口枷上装有羽毛掸,她正以此打扫房间。
“回家前若能打扫干净,就有奖励哦。”
那奖励便是用三角裤内机关给予的高潮凌迟。
“但若有半点差错,可是会有严厉惩罚的。”
那便是只玩弄佩戴乳环的乳头、在高潮边缘紧急叫停的责罚。
觉醒于责弄依織作为性奴隷的快乐后,两者皆令我愉悦。无论如何,依織都能为我带来欢愉。
我每月为依織发放津贴——当然并非直接交给她本人,而是汇入以她名义开设的账户。
待我大学毕业时,那笔钱应足够她将自己赎回。
届时,我打算让她选择:
是继续作为我的性奴隷,还是赎回自身,摆脱奴隶身份。
(话虽如此,恐怕……)
我确信无疑。
无论是否仍是奴隶,依織都会选择侍奉我生活。
(完)
第十七个孩子
17番の子
「喂,要不要一起去参加下次的官奴拍卖会?」 这是我们在高等部同班的贵族大小姐泽弥小姐向我搭话时的情景——那时我们升入大学部大约已经过了一个月——。
pixivFANBOX https://masamibdsm.fanbox.cc/posts/2079790 上以大尺寸刊登了封面所使用的插画。