警報が鳴る中でフィラは通路の壁を駆けあがりなら、先ほどの愚を犯さない為に飛び回る。電磁シールドを持ったアンドロイド達が立ちふさがっても人の脳を搭載していない相手ならと容赦なく切り伏せていく。
リアネが爆発までにもたらしていたカーネンからの答えでこの客船のデータルームに組織についての情報が詰まっている。それは船の底に存在していると言う。
しかし、問題はそのような巨大なデータをフィラ自身が持って帰れるかが心配だった。
警報は未だにけたたましくなっているが警備のアンドロイドは手薄となる。今のうちに階段の手すりに身を預けて滑り降りる。
最深部は案外と無防備であった。
侵入者を想定していないのかサーバーが並ぶ部屋には何かしらの扉や防衛装置は置かれていない。
「ここがサーバールーム……」
組織がどのような存在であるか全貌を明らかにするために早速一つのサーバーの端子に触れて接続する。奇襲を受けないように周囲に意識を配りながら、サーバー内のデータに検索をかけて行く。
瞬間。大きな金属音が鳴り響き上を見上げると、4足の白い装甲に覆われた一つ目の機械が落下してくる。その巨体はサーバーを軽々と踏み潰して破壊する。
「そ、そんな!」
せっかくの証拠が破壊され絶望するフィラへ、カーネンの耳障りな放送が聞こえてくる。
『ははは残念だったね。君の父はとんだお人よしだ。まさか仕込んでいた自爆装置を抜いていたとはな』
「じゃあさっきの爆音は!」
そこで理解する。あの4足の機械こそが自爆したように聞こえた音の原因。
そして。
「リアネ!」
腕に捕まれ、四肢をもがれ残骸となった彼女は苦悶の表情でフィラを見下げる。
「お嬢様……」
『また残骸となった方が改造する時の手間も省けていい。ゴリアテの性能を味わうといい』
ゴリアテはサーバーを踏み潰すとスパークをあげるそれらを無視してフィラへと飛び掛かろうと構える。
「くっ!」
ブレードでゴリアテの前腕に切りかかるが、奴はリアネを持つ腕を盾にして攻撃を中断させる。振り切れないブレードには何ら攻撃力は乗りはしない。
逆に機敏に動くゴリアテの一撃がフィラの体を捉え、剛力によってフィラのボディは壁に叩きつけられる。
「しまった……」
ゴリアテが思いっきり腕を振り上げ、今度こそやられる。そう思った瞬間に船が大きく揺れた。
第9话 强敌
第9話 強敵