五十嵐唯は、教室では極めて口数の少ない女子であった。教室の最後方、窓際の席に座る彼女は、何をするでもなく窓の外を眺め、時折小さくため息をつく。校則の比較的厳しいこの学校では珍しく、ワンサイズ大きな制服を着用し、前のボタンを閉めずにブレザーを羽織っている――けれども決して周囲には制服を着崩しているという印象を与えない。どこか寡黙で、理知的な雰囲気を醸していると捉える女子すらクラスの中にはいた。
そんな彼女に、恐る恐る声を掛けるクラスメイトが一人。
「あの、五十嵐、さん」
「……ん? なに」
「え、いや、その! 数学の宿題ノート、回収してて…………」
「……。あー、ごめん。今出すから、待って。…………はい」
「あ、ありがとうございます……」
緊張した面持ちで、クラスメイトは彼女から離れていく。見た目とは裏腹に彼女は至って真面目であり、成績もどちらかといえば優秀だった。これといって、彼女には明確な欠点があるわけではない。ただただ、彼女は気だるげな空気を滲ませているのみ――
――五十嵐唯は、ある人間に言わせれば“ダウナー”であった。
ある秋の日の昼休みのこと。40分間ある昼休みのうち、最初の15分で小さな弁当を食べ終えた唯は、いつもの通り机で気怠そうにスマホを見ては、机に突っ伏していた。体調が悪いわけでも、眠いわけでもない。教室のあちこちから響く生徒たちの喧騒から逃れるように、唯は目を閉じて昼休みが終わるのを待ち続ける。
……はず、だったのだが。
ごぽぽぽぽぽぽぽ、ぎゅるぎゅるぎゅる。ごろごろごろ。
(お腹、いたい……。うんこしたい、トイレ行こう……)
弁当がお腹の刺激となったのだろうか。或いは普段から少しだけ緩めなお腹が、秋にしては少し冷たい空気によっていつもより緩くなってしまったのだろうか。いずれにせよ、唯はにわかに便意を催した――肛門のすぐそば、直腸に溜まっているのは、健康的な硬さからはほど遠い、水分量の多い軟便と下痢便ばかりだった。スカートの奥でお尻の穴をきゅっと閉じ、我慢できそうかを考える――お腹は想像していたよりも下っており、下校時刻はおろか昼休みが終わるまでも我慢できるか怪しいほどだった。
椅子から立ち上がると、心なしか教室の数人から視線を浴びているように感じられる。普段自分の席から動かない人間が、教室から出ていくというだけで何を思っているのか――不満を表情に現しながら、唯は教室を出て廊下を歩いていく。やがて女子トイレの入口が見えてくると、唯は小さくため息をつく。
(ここでうんこ済ませたいけど……やめよ。また何か言われるの、面倒だし。ちょっと遠いけどいつもの(・・・・)トイレ行くほうが良いよね)
教室からほど近い女子トイレで大便をするということを考えるだけで、唯の記憶に蘇ってくるものがある――他の女子たちにとってはありふれた光景であっても、唯にとっては忘れることのない、一年と少し前の、高校1年生だった6月の中旬のことだった。
その日は梅雨に入って一週間ほどが経った頃で、ジメジメとした空気と中途半端な暑さのせいか、体調を少し崩した唯はお腹を壊していた。徐々に便意が強まっていき、限界を感じた唯が昼休みに教室近くの女子トイレに入って、7から8分ほどは籠もって下痢をしていただろうか――ようやくお腹が落ち着いて出てきた唯を待っていたのは、たまたまトイレに居合わせた3人ほどのクラスメイトの女子だった。
《お腹、痛いの? 大丈夫?》
《私薬持ってるから、あげようか?》
《授業中もトイレ行きたくなったら声かけてね、わたし保健委員だから》
その言葉には悪意など一切含まれておらず、純粋な善意からくるもの。だからこそ――その言葉に含まれる小さなトゲは、いつまでも彼女の心から抜けていかない。ため息をつき、電灯に照らされた明るい女子トイレの前を通り過ぎていく。
この女子トイレは、唯が大便をするには、明るすぎるトイレだった。
階段を降りて1つフロアを降り、1階へ。渡り廊下に出ると、室内よりも更に冷え込んだ空気が体中に当たり、体が思わず震えた。腹の前で両手をこすり合わせ、さらに腕をお腹に当てて少しでもお腹を冷やさないように努める。けれども冷たい空気は腕の隙間を通り抜けて、下腹の表面から熱を奪い取っていく。より一層強く痛み始めたように感じられるお腹を必死に温めつつ歩みを進めると、ようやく目的地である体育館が視界に入る。
一瞬だけ表情を緩ませた唯は、ガラス製の重い扉を押し開けて体育館の中へ。短い昼休みにも練習をしている運動部があるのか、ボールが跳ねる音と叫び声を聞きながら、唯は入ってすぐ左手にある扉に向かう。「女子トイレ」と書かれたグレーの扉を開けた先こそが、唯の本当の目的地だった。
乾式の床に鮮やかな赤色の扉、そして天井に数多く配置された電球――そんな教室近くの女子トイレに比べれば、体育館のトイレは真反対だった。床はタイル張りの湿式で薄いグレーの扉には銀色の錠前が備えられている。そして天井には2組の蛍光灯があるのみ。夏は暑くて冬は寒く、晴れている日でもどこか薄暗く感じられるこのトイレは、けれども唯がこの学校の中でたった1箇所、安心して使うことのできる、人気のないトイレだった。
――人気のないトイレの、はずだった。
(誰か使ってるし、並んでる。……はぁ、最悪)
入って右手の壁沿いにある2つの個室は、いつもなら空いており唯を迎え入れてくれることが多い。確かに何度か、片方の個室が既に埋まっており個室を選択する余地が無かったことはあるが、両方とも埋まっていて空き待ちを強いられた記憶は、少なくとも唯の中では一度もない。
だが、目の前を見てみればどうか。灰色の扉は2つとも固く閉ざされており、更にその前には、1人の空き待ちをしている女子がいる――じっとしているように見えて時々体を動かしており、落ち着きのない様子も見受けられた。彼女もまた大便がしたいのだろうか。
ここで唯の順番が回ってくるまで待てば、数分は我慢を強いられることになるだろう。一方で教室のトイレに引き返せば、清潔で明るいトイレで、我慢することなく便器にありつくことができる。選択を迫られた唯は、けれども迷うことなく、個室が空くのを待っている生徒のすぐ後に立った。
(お腹痛いけど、他の女子になにか言われるのはもっと最悪。我慢するしかないよね)
下腹は小さくきゅるきゅると音を立てている。下り始めたお腹にはあまり余裕もないが、それでも唯は我慢することを選んだ。
個室の方に目を向けると、トイレが混雑している理由が少しだけ分かった――手前側の個室は、誰かが入っているわけではなく「故障中」という張り紙が貼られている。個室が2つから1つに減り、その分だけ目の前に並ぶ女子は入れないでいるのだ。
そして、奥の個室に意識を向けてみれば、ちょうどトイレットペーパーを何度か巻き取っているところだった。大便なのか小便なのかはトイレに入ってきたばかりの唯には最初分からなかったものの、紙を取る音が何度も繰返されているあたり、先客もまた大便をしていたのだろう。
(みんな、うんこなのかな……。私もだけど、このトイレは確かに、人が少ないし)
あまり待たされたという感覚もなく、個室から水が流れる音がする。すぐに個室の扉が開き、中からは3年生らしき女子が出てきた。唯たち2人が待っているのを見て少し顔を赤くした彼女は、手も洗わずにトイレから出ていく。トイレの出入口の扉が閉まるのとほぼ同時に、唯の前に並んでいた少女が個室に入り、鍵を掛けた。静かなトイレの中に、彼女の衣擦れの音と、プラスチックの便座に腰掛ける物音が続く。
次に響いた音は、すでに想定されていた音であり――けれども唯にとって、一番聞きたくない音でもあった。
ブリリリリリリッブリュブリュブリュブリュブブゥーーーッ!
我慢していたことがよく分かる、勢いの良い脱糞音がトイレの中に響き渡る。唯のように本格的に下痢になったわけでもなく、だがお世辞にも健康的なものとは言えない、緩さが伝わってくる排泄音だった。彼女が洋式トイレに腰掛けて、お腹を押さえながら下腹に力を込めているのが容易に想像できる。
ブビュッ、ビチビチビチビチ。ぶりっ! ぶぅ~~っ……ブビ、ビチッ!
勢いが弱まってきても、なかなか排泄は終わらない――そして、仮にいったん排泄が途切れたとしても、排泄が終了したということと、個室を出るということとは、必ずしもイコールではない。自分自身の腹具合と経験から、そのことは唯はよく理解していた。ましてやここは、自宅ではなく学校のトイレである……午後の授業を平穏のままに終えることを考えれば、少しでもお腹の中身が残っていることはリスク以外の何物でもない。できる限り大便を絞りきりたい気持ちは、痛いほど理解できた。
ただ、それでも空き待ちを強いられている側の女子としては、一秒でも早く便器に座りたいというのもまた、正直な願いだった。
グルルルルルルルッギュルギュルギュルゴロロロォ~~~~ッ!
「……っ、はぁ……。ふぅー…………」
個室の中から聞こえてくる排泄音に刺激されて、大腸が活発に蠕動運動を再開する。既に下痢便を溜め込んでいる直腸に新たな下痢便が流れ込み、より一層重くなった直腸が下に向かって伸びながら肛門に圧力をかける。教室を出たときよりも確実に、我慢するのは苦しくなってきていた。
「……んっ! んぐぅ……うぅ~ん…………んっ。はぁ……っ」
ブビビビッ! ぶちゅ ぶり……ビチッ! ブボボボ、ドボッ!
1分ほどが経つと、個室からは何度か繰返されていた排泄の波が徐々に小さくなっていき、数秒おきに小さく水っぽい放屁の音が響くのみになる。排泄はある程度落ち着いたようだった――けれども、トイレットペーパーを巻き取るような気配は感じられない。
小さな物音が不規則に聞こえてくる。先客はおそらく渋り腹と戦っているのだろう。姿勢を変えたり、お腹を擦ってみたり、試行錯誤しながらお腹の中身をなんとか空にしようとしているに違いない。軽くなったように感じられるお腹とは対照的に治まりそうにない腹痛と便意は、どうしようもなく先客の彼女を便器に縛り付ける。そして唯は、そんな地獄のような時間が終わるまで、尻穴を閉め続けなければならない。
(個室の前で待ってるの、焦らされてるみたいで嫌……はぁ、お腹痛い)
ゴポゴポゴポゴポゴポッ! グギュルルルルルルルッ!
下腹から音が鳴り響くのも、もう何度目になるか分からなかった。背中を曲げるほどではないが、気づけば左手は無意識に下腹へと添えられ、しきりに左右に運動を繰返す。手のひらと衣類が擦れる音が、個室の内外の双方から響く――けれども、その音が意味する行為は、真逆そのものだった。腹の中身を絞り出さんとする先客と、出てこようとする腹の中身を堰き止めておかなければならない唯。互いに腹を擦るという行為は同じだというのに――無情にも、これがトイレに入った者と、その後ろで我慢をしている者の差だった。
女子トイレの中は、極めて静かだった。微かな衣擦れの音を除いては、時折足踏みをする唯の足音が響き、十数秒おきに先客の尻から小さな破裂音が響く。その音が唯の耳に入るたびに、そろそろ個室が空くかもしれないという唯の希望が打ち砕かれる。我慢を強いられている時間は、唯が当初考えていたよりも長くなっていた。
(早くして……私だってうんこしたい……。いつまで入ってるの……)
腹の奥から体の芯を通って聞こえてくるのは、ぐるぐる、ゴポゴポという重厚な音だった。大腸の先端と直腸の中で、溜め込まれた液状の下痢便とガスが動き回り、嫌な痛みを発し続けている。この痛みから逃れる術は、個室に入り便器に尻を向ける以外に存在しない。
确实已经逼近忍耐的极限了。随着时间推移,不断收紧肛门变得越来越痛苦,稍一松懈就感觉要裂开,肛门滚烫。混杂着气体和稀便的东西正试图撬开肛门,尤其是积聚在直肠出口附近的滚烫气体,随时都可能喷涌而出。
咕噜咕噜噜噜噜噜——噗噜噗噜噗噜噗噜噗噗噗噗噗!
(为什么只有我这样……好想……大便……已经忍不住了……)
……噗噗。噗噗 噗噗 噗咻————……噗哩哩。噗噗!
腹压骤然升高,难以忍受的腹痛袭来,唯不由自主地将身体弯成“く”字形。就在向后突出的肛门闭合力道稍稍减弱的瞬间,唯意外地放了个屁。滚烫的气体冲过肛门,在内裤里缓缓扩散。如同漏了大便般的屈辱感,以及逐渐升起的、类似都市燃气的臭气,让唯深深地叹了口气。
噗哩哩,噗呜呜……噗噗,噗噗,噗噗呜~……噗噜噗噜噗噜噗噜噗噜——咕噜!
如果放了气能轻松些,或许还有救。但实际上,放气腾出的空间立刻被从深处涌来的稀便填满——作为片刻快感的代价,便意变得更加猛烈。唯的脑海中浮现出“极限”二字。
她不擅长主动采取行动——原本就不擅长与人沟通。厕所对唯来说,本应是一个无需与任何人交谈、只需排泄的场所。
然而,唯的肚子状况正在颠覆这个前提。随着每一刻都在加剧的腹痛,以及与之成比例愈发严重的腹泻便意。被难以忍受的便意折磨的唯,被要求对前面的使用者做出“催促”这个行为。在本应不受任何人打扰的排泄场所,唯即将干扰前一个人的排泄。
(已经,不能再忍了……拜托,快点出来啊……)
——叩,叩。
仅仅两次,敲响了眼前的门。即便如此,对唯来说,也需要做好心理准备。
敲完后,等待前一个人的回应。即使被搭话也很麻烦——如果可能的话,对方能直接默默开始卷卫生纸,对唯来说是最理想的。
但现实完全不同。
…………叩,叩。
敲门声,得到了回应。这在厕所里并不算稀奇。但对唯来说,这是她能想到的最令人绝望的回应。
前一个人应该知道后面排队的是唯。而且她肯定明白,唯的敲门不是为了确认隔间里有没有人——而是在催促她自己。即便如此,她还是在犹豫之后,以等间隔敲了两次门。
(还没好,还要再等……?哈,开玩笑吧,我这边已经到极限了……!)
咕呜呜呜呜……咕噜咕噜咕噜咕噜——噗咿咿咿咿咿!
唯的小腹发出雄辩的悲鸣。仿佛在抗议“额外的忍耐概不接受”,大肠再次伴随着巨大的声响暴动起来。原本因愤怒而叹息的唯表情一变,渗出痛苦。在肚子上左右移动的手停了下来,抓住制服西装外套,唯进入了咬牙硬撑的姿势。
(还没完……快点,快点,结束啊……哈,哈……)
咕噗噗噗噗噗——咕噜咕噜咕噜噜噜呜呜呜呜呜呜!
强大的压力袭向消化道的出口。仿佛要卷入臀部的肉——连带着其间的内裤和连裤袜也理所当然地被卷入——肛门拼命对抗着那试图收紧又试图撑开的压力。在教室里常被说面无表情的脸庞扭曲变形,唯痛苦地瞪着厕所门上的锁。但无论怎么瞪,无论在隔间外怎么祈求,那指示灯都不会从红色变成蓝色。
感觉像过了无限久。被寒冷和午餐两个因素刺激的大肠,迟迟不肯停止蠕动。无法阻挡一波波涌来的便意,只能勉强防止决堤,唯只能一味地等待“那个时刻”。
呼吸也乱了。腹部持续用力,唯的呼气花费数秒,缓缓从肺部经气管排出体外。然后仿佛才想起似的,重新吸气,将吸气充满肺部。接着,再次一边腹部用力,一边缓缓呼气。
这样偏颇的深呼吸,重复了大约七次吧。
噗哩,噼嗤嗤嗤…………噗噗噗噗哩哩哩哩~~~~~~~~!
从隔间里,响起了一声格外悠长的放屁声。音量不大,但充满水汽的破裂声,伴随着积聚在腹部深处的大量气体,以及肠道里顽固残留的稀便,一次性冲入便器——这声音说明了一切。声音停止后,紧接着是卷取卫生纸的金属声在厕所里回响。
前一个人的排泄终于宣告结束。终于轮到唯了。
(哈,好漫长……真的,差点就漏出来了……呜,肚子好痛)
充满痛苦的唯脸上,终于能瞥见一丝安心。卷纸筒发出咔啦咔啦的转动声重复了几次,接着是塑料便座上有人起身的声音。唯从门前退开,水流声响起,锁变成了蓝色。外开的门打开了,前一个人走了出来——排队时没注意到,但看室内鞋的颜色,她似乎是一年级生。
或许是被唯散发出的、仿佛蕴含怒气的氛围所慑,她像小动物一样,手都没洗就从厕所跑走了。唯对那样的她看都没看,走进隔间,滑动了银色的锁。
(终于能大便了……快点,想……)
看到白色的陶瓷便器,小腹再次发出悲鸣。便意的波浪现在勉强压制住了,但随时可能爆发的状态并未改变。乖乖地抬起便座盖,能微微闻到前一个人留下的大便气味。正如从隔间外听到的声音所预料的那样,是腹泻时特有的腐臭味,唯皱起了脸。
总之,现在没空管别人的排泄物了。她转过身,将臀部对准便座,把手伸进裙子里。将连裤袜褪到膝盖,同样的动作将黑色内裤也褪到膝盖。在还留有余温的便座上重新坐好,唯将手放在肚子上,上半身微微前倾。
“唔,哈,呼呜……!”
噗咻噗噜呜呜呜……噗噗!噗呜呜呜呜呜呜呜!
(赶上了……太好了)
空无一人的女厕里,响起轻快的破裂声。积聚在直肠末端的,稀便远少于气体。带着水汽的放屁般的破裂声重复了数次,便器里溅满了无数褐色的斑点。隔间里瞬间被唯放出的气体气味覆盖。
放屁的声音逐渐变得厚重,开始有力地振动空气。在猛烈地排出混着稀便的气体之后,接下来轮到堵塞在直肠大部分区域的糊状软便,以及比那更稀的稀便从肛门喷涌而出了。
噼哩……噼哩噼哩……噗噗噗噗噗哩哩哩哩哩!噗呜——!
(哈,还好多……拉肚子了呢……真是,糟透了。下午上课肚子痛起来怎么办……得在这里彻底排干净……)
真正的腹泻开始了。因腹部变轻而表情舒展的唯,也因腹痛的痛苦占了上风,皱眉的频率增加。虽然不是病态的腹泻,但明显超出了健康范围的大量水分,混着糊状的软便,持续不断地被泼洒在便器里。
伴随着沉重的声音,软便飞溅,完全张开的肛门间隙中,传来令人泄气的放屁声。接着又是响彻整个厕所的排泄声——这是一年级前一个人几分钟前刚刚经历的行为,同时也是只有在这个厕所才能进行的行为。如果在教室旁的厕所进行同样的行为,等待唯的将是教室里充满善意的怜悯(精神攻击)。
即便发出如此大的声音,直肠里仍残留着近一半的重量,大肠至今仍在咕嘟咕嘟地将软便和稀便送入直肠。唯的肛门还会继续发出巨大的声响。
即使被强迫忍耐,也庆幸来了这个厕所。这肯定会是一场持续整个午休的持久战——调整坐姿,再次抱住肚子的唯,在小腹用力的瞬间。
(有人来了……?有脚步声,有人进来了……等等,另一个隔间是坏掉的吗)
脚步声径直走向唯所在的隔间,在门前停下。这个外开的隔间,不站在门前看锁,就无法判断是空着还是在使用中。更准确地说,连那红色都褪色了,从远处判断隔间是否空着几乎是不可能的。
进来的少女似乎也是这种状况,隔间的门被毫无意义地拉了好几次。门纹丝不动,前一个人(指刚进来的少女)似乎才想到,敲了敲唯所在隔间的门。
——叩叩。
“那个……请问,里面……有人吗……?”
听到一个异常焦急的声音——但冷静想想,这也很正常。唯,以及她前面的前一个人,还有再前面的前一个人,都是来这个厕所大便的。没人用的厕所,是那些憋着大便,尤其是非常羞耻的稀便的女孩们会来的地方。门外的她,和唯一样肚子有问题而冲进这个厕所,这并不难想象。
但是——她的事,对唯来说毫无关系。
——叩,叩。
(我也肚子痛,而且才刚进来没多久……哈,还好多要拉……)
噗噗噗噗呜呜呜!噼哩噼哩噼哩噗噜噜噜噜!
唯重新憋住气,将原本打算顺腹痛排出的软便和稀便,再次注入便器。气体似乎已经排得差不多了,像坏掉的冲水机一样,唯的肛门里液状的大便有力地飞向便器。
膨胀的直肠里还残留着大量的大便。和前一个少女不同,唯似乎不太会因气体残留而感到腹胀难受——取而代之的是,在肚子里的大便排完之前,唯恐怕无法将屁股离开便座。从腹部深处传来的、仿佛内脏被灼烧般的疼痛,暂时还无法摆脱。
噗噗噗噗哩哩哩哩!噗!噗噗噗噗!噗哩噼哩——!
突然,大量气体被送入直肠,肛门发出巨大的声响。在排泄的波峰发出震耳欲聋的声音有过好几次,但和刚才不同,唯微微脸红了——现在,一门之隔的另一边有一个女孩。是否同班,甚至是否同年级都不知道,但万一认识的话,想到这里,唯的情绪有些动摇。
腹痛が急速に和らいでいくのを唯は感じていた。腹圧を無駄に高めているガスを出し切ったおかげなのか、大音響の放屁の後も小刻みに尻穴からは少し水っぽい、半乾きの放屁音が響き、大腸で生み出された気体が外に出ていく。個室の中の臭気はその度に酷いものへと変化したが、臭気を代償としたその効果は大きかった。
「ん…………っ、ふぅ、ぅんっ……。くっ…………ん」
ブリリリリィーーッ! ブチュッ、ビヂィッ、ブッ……ブゥッ。
(うんこも、だいぶ出たけど……ちょっとまだスッキリしない気がする。授業中に手を挙げて先生に「お腹痛い」っていうのも面倒だし……もう少し頑張っていれば出るかな)
放屁に続いて、わずかに勢いのある水下痢が水面に飛び出す。放屁が終われば次は直腸の中に溜まっていた下痢便を出す時間だった。けれども便器に座った直後のように、爆発しそうだった下痢便が勝手に尻穴から噴き出してくるわけではない。強烈な腹痛に耐え、下腹に力を込めて腸の中身を絞り出していかなければ、排泄は進まなかった――この苦しい時間を乗り越えないことには、唯が個室から出ることもできない。
(はぁ、ほんっとイヤになる。出しても出してもスッキリしないこの感じ……はぁ)
数秒おきに、唯の深い呼吸に合わせて肛門が開閉を繰り返す。肛門を開けば開くほど出るというわけでもなく、数回に一度、肛門が開いた時に中から下痢便がとろとろと溢れ出るばかり。出し切ったという感触が得られることはなく、時間の許す限りずっと絞り出していたいというのが唯の本音だった。
けれども、そんなことが不可能なことは唯とて理解している。昼休みという時間は有限であるし、それ以外にも――
――コンコンッ!
二度目の催促。今度は言葉が添えられていなかった。今更伝えるまでもないと思ったのか、あるいは自分と同じ状況に苦しむ唯への同情か、はたまた口を開く余裕すらないほど、追い詰められているのか――その答えは、唯が個室を出るまで判明しない。
下腹をさすっていた右手を止め、代わりに両手をそっとお腹に当てて、様子を見る。肛門に押し寄せてきていた大便のうち、9割近くは便器の中にひり出すことができただろうか。ちょうど小さな便意の波が新たに肛門に到達しようかというところであり、それさえ出し切れば、出すものはほとんど腸内からなくなるだろう。
(外で誰か待ってるっていうのも落ち着かないし……うんっ、んっ)
ブチュブチュブチュ、ブボブボブボッ……、ぶりりりりっ。
(ふぅ……。なんとなく落ち着いた気もするから、出でもいいかな)
排泄の終わりを告げる小さな放屁を最後に、肛門がすぼまっていく。腹の奥にあったズキズキという痛みが、ゆっくりと引いていった。唯は特段扉の外に向かって返事をすることはなく、代わりにトイレットペーパーを巻き取り始める。もうすぐ出る、という意思表示をするには、これで十分だった……わざわざ言葉を声に出すという面倒な行為に出るくらいなら、一秒でも早く個室を出るほうが、扉の外の彼女にとってもありがたいだろう。
何度も紙を取り直し、やや乱雑に丸めた紙を肛門に押し当てる。3回ほど尻を拭くとようやく、紙に付着する黄褐色の汚れが薄くなり見えなくなりそうになる。これならあと1回拭けば、下着を穿き直すことができそうか――そう思った、瞬間だった。
――ゴロゴロゴロギュゥゥゥゥッ!
(あ……。まだ、うんこ出そう……お腹、痛くなってきた)
ペーパーホルダーに伸ばしかけていたその右手が、途中でUターンして下腹に戻って来る。体の芯を通って響くような鳴動音に加え、言い逃れのできないギュルギュルという振動が、掌に伝わってきた。肛門の付近がにわかに重くなり、強い便意が唯を襲う。
扉の外には、2度もノックをしてきた女子が、唯が個室から出るのを待っている。彼女は当然、唯の今の状況――まさかぶり返しの便意に襲われているなど、思いもしないだろう。トイレットペーパーでの後始末を終え、個室から出てくる瞬間を、待ちわびているに違いない。
きっと、唯と同じ状況に陥ったら、それでも後始末をして便器から立ち上がってしまうという女子も少なくないだろう。けれども唯は、迷うことなく両手を下腹に当て直すと、再び上半身をゆっくりと、前に倒した。
(はぁ、まだ出るなんて、最悪……。まあ、午後の授業中にぶり返しちゃうより良いよね)
ブチュブチュ! ブリリリリリッ、びちびちびちぶぅぅぅっ!
粥状に溶けた下痢便と、腸の奥で生み出されたばかりの熱いガスが同時に噴き出して、肛門の粘膜を大きく震わせる。唯の尻穴からは再び激しい排泄の音が響き始めていた。緩急を繰り返し、断続的に響くその音は、まだしばらく止まらないことを予感させる。
「はぁ…………」
唯の口から出たのは、大きなため息だった。止まらない腹痛の苦しみでもなく、大きな音を響かせた恥ずかしさでもなく、この空間――狭くて臭く、ジメジメとしていて、タイツを脱いだ両足と下半身を絶えず冷やされるトイレという場所から出ることができないことへの、面倒くささが滲み出ている。トイレに入ったときは多少の気持ちよさや安堵を感じることもあったが、長期戦になってしまえばもはや唯が感じているのは気怠さ以外の何物でもなかった。
下腹が再度グルグルという音を奏でる。ぶり返してきた――いわばアディショナル・タイムのような便意にも関わらず、その量は唯が想定していたよりも遥かに多いようである。掌に感じられる音と同時に直腸に液体が流れ込んできて、重さを感じさせる。もう少し、踏ん張らなければ戻れないだろうか――
コンコンコンコンッ!
「ねぇ、まだですか!? こっちも、待ってて、お腹痛いんです!」
3度目の催促に続いて、名前も知らない彼女の苦しそうな訴え――声の主には、唯は覚えがないようだった。扉の外からは明らかに焦りと怒りの入り混じった感情が伝わってくる。明確に声を掛けられて、唯は初めてこのトイレの中で口を開いた。
「はぁ……。お腹痛いんで、まだかかります。……はぁ、んっ」
返事をしたことで下腹に余計な力が掛かり、肛門が再び開かれて音を響かせる。
ため息とともに、激烈な破裂音と情けない放屁音が数回、個室の中に響く。
「…………はぁ。ふぅっ。……ん、ぐぅっ…………」
ブビブビッ! ドボドボドボビヂィッ! ぷぅ~~……ブッ、ブババババッ!
心無いと言われるかもしれない。非情だと思われるかもしれない。
けれどもトイレは、先に入った/並んだ人間に絶対的な優位が与えられる。先客の排泄が終わり切るまで個室が空かないのは、唯が数分前にされた行為でもあった。唯の気怠そうな返事が先客を焦らせたのか、苛々させたのか、絶望に追い込んだのか……それを唯が知る術はない。そもそも唯は知ろうとすらしていなかった。
「はぁ、はぁ……。~~~っ、う、ぅぅっ…………!」
個室の扉のすぐ前からは、ぱたぱたという足音と、布をこすり合わせるような音――恐らくは、扉の外の彼女がお腹をさする物音が聞こえてくる。彼女もかなりの長時間にわたる我慢を強いられているはずだが、それでもこのトイレを諦めて教室の方に戻っていく素振りは見られなかった――きっと、相応に恥ずかしいのだろう。
ブビビビビィッ、ビチビチビチビチ……ぶっ、ぶぅぅぅぅっ。
(ふぅ、今度こそ落ち着いたかも。時間掛かっちゃったし、またお尻汚れたし……拭き直すのも面倒。ウォシュレット付けてほしいけど、建て替えて使う人が増えたら困る……)
まるで扉の外の世界など気にしていないかのように、唯はトイレットペーパーを改めて取り直す。今度は拭いている最中にぶり返すようなこともなく、後始末を終えることができた。立ち上がってショーツとタイツを穿き直しながら振り返ると、便器の中には茶色と黄土色の汚泥が水に溶けながらも溜まっている。当然ながら、そこから立ち上ってくる臭気もまた酷いものだった――少し顔をしかめてから、レバーを倒す。
振り返って扉の鍵をスライドさせる。外開きの扉を押し開けると、一人の女子生徒が立っていた。やはり、顔には見覚えがない。上履きの色が指し示す学年は1年生。すでに平静を装いきれていないその仕草には、体を曲げていたり足を小刻みに震わせていたりと、どこか無理が感じられた。
「…………」
「…………」
言葉を交わすことはない。唯は個室から離れ、代わりに彼女が個室の中に駆け込んでいく。勢いよく扉が閉じられ、鍵がかかるとやや慌てた衣擦れの音が続く。直後に聞こえてきたのは、想定通りの破裂音だった。
ブチュルルルルルルルブゥッ! ブチュブリュゥゥゥッ!
紛れもない下痢。下し方は唯とほぼ同じくらいだろうか。同級生のいるトイレで済ませるのが少し恥ずかしくこのトイレを目指したことも、閉まっている個室を見て絶望に近い感情を抱いたことも、限界を感じて苦しい我慢を続けながら扉をノックしたことも、容易に想像がつく――全て、数分前に唯が通った道だった。
水道の蛇口をひねり、氷のように冷たい水で手を洗うと唯は早足でその場を後にする。女子トイレを出て体育館から渡り廊下に戻ると、北風が全身に当たる。
(……寒っ。お腹、まだ完全にはスッキリしてないんだよね……午後の授業でお腹痛くならないと良いんだけど)
お腹の奥の奥、ほんの少しだけ感じられる痛みに不安を覚えつつ、唯は寒い渡り廊下を急ぎ校舎へと戻っていく。自動販売機で缶入りの温かい紅茶を買って教室へと戻ると、ちょうど昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴り響いた。
(了)
某个慵懒少女的午休时光
或る気怠げな少女の昼休み
写这篇小说是想让一位有些消沉的女生肚子不舒服,并且在迟迟打不开的厕所前痛苦地忍耐。没有其他意图。
用文字和对话来表现消沉情绪确实很困难呢。看来我还得继续努力才行。