⚠注意
キャプションに簡単な話の傾向が書いてありますので、一読ください。
誤字脱字、分かりにくい言い回しなどあるかもしれません。気づき次第修正するようにしますが、ご指摘などくださる場合は支部のメッセージやTwitterへDM、波箱へメッセージなど下さると助かります。
⚠こちらは二次創作です。完全なフィクションであり、妄想、幻想、幻覚の虚構作文です。
何でも許せる方向けです。解釈違い、キャラ崩壊等許せない方はここでお引き取りください。
実在の人物、団体等全く関係ございません。
ご本人様、関係者各位の方々のご迷惑にならない範囲でお楽しみください。
⚠転載、AI学習、晒し行為等は絶対にしないでください。
ポイピクで掲載後、暫くしてから加筆修正などをしてからこちらに上げています。
いいね、ブックマーク、フォロー等非公開でのご協力をお願いします。
こちらのコメ欄は閉じさせて頂くことにしました。感想などはTwitterか波箱に頂けると嬉しいです。
「あれ、凪ちゃーん?」
任務を無事に完了し、報告のためにRoom4Sへと帰ってきたセラフ。事務所の扉を捻ると鍵が掛かっていなかったため、アキラが室内にいるものだと思いそのまま入室した。
彼の定位置であるデスクを見ると、そこにアキラの姿はなかった。
簡易キッチン、仮眠室、シャワールームにトイレ。すべて確認したがアキラはどこにもいなかった。
(どこかに出かけてる……?鍵も掛けずに?凪ちゃんに限って事務所の戸締まりを忘れて外出なんてするか……?)
セラフはスマホを取り出し、電話をかける。
「あ、奏斗?仕事中だったらごめんなんだけど……あ、平気?あのさ、凪ちゃん知らない?任務完了して今事務所にいるんだけどどこにもいないっぽくて……」
奏斗に電話をかけ、アキラの所在を知っているか尋ねる。
本日休日だった奏斗は雲雀と共に過ごしていたらしく、奏斗の次に連絡しようとしていた雲雀の返答も同時に得る事ができた。
残念なことに、どうやら二人ともアキラの居場所は知らないようだった。
もしアキラがどこかにいるなら、二人のうちのどちらかの所だろうと思っていたセラフの予想は外れてしまったのだった。
どうしたものかと捜索がふりだしに戻った時、一通の通知が通話中の端末へ届いた。同じ通知が奏斗と雲雀にも届いたらしく、通話を繋げたままチャットを確認するためにアプリを立ち上げる。
『バグ発生につき、至急VOLTACTIONの皆さんは事務所まで集合してください。詳しいことは集まり次第ご説明します。』
「事務所に来いってチャットきたけど、奏斗たち今どこ?」
「ディスコのサーバーに来てるし、アキラもこれ見たらすぐ来るでしょ。僕達もそんなに遠くにいるわけじゃないから、そこそこの時間で行けるから事務所で改めて話そうか」
了解と返事を返し、セラフは通話を切ってポケットにスマホをしまった。窓の施錠を確認し、最後に出入り口の施錠をしっかりと済ませてANYCOLORの事務所へと向かう。
集合場所で、奏斗と雲雀からセラフに心配をかけるなとからかわれているアキラの姿を思い浮かべながら。
セラフが事務所へたどり着くと、すでに奏斗と雲雀は到着しているらしく、セラフはスタッフに案内されて小さい一室へ案内された。
部屋の扉を開けると、椅子に座り机に突っ伏すようにリラックスしている雲雀と、部屋の壁沿いに置かれている簡易ベッドに横になっている奏斗がいた。
「お、セラお来たぞ奏斗ー」
「おーす、だらけてんなー」
「だって今日休日なのにさー、アキラが一番最後って珍しいな」
ベッドに寝転がりスマホをいじっていた奏斗が「よっこいしょ」と声を上げながら起き上がり、雲雀の隣の椅子へと座った。
セラフの願いは叶わず、アキラの姿はなかった。
とりあえず奏斗と雲雀の正面の椅子へ座ったタイミングでスタッフが入ってきた。
アキラ以外の三人が揃ってることを確認すると、簡潔にバグの詳細を語った。
「クリアしないと出られない空間に閉じ込められてる?」
奏斗がスタッフの言葉をそのままオウム返しすると、スタッフはこくりと深く一度頷く。
曰く、アキラはあるゲーム世界の中に閉じ込められている状況らしく、そのゲームをクリアしないと出てこられないらしい。
様々な創作やらシチュエーションやらで散々使い回されてきた〇〇しないと出られない部屋のようなバグ。
実際自分たちも過去に企画で閉じ込められたことがある。
どうやら今回はその部屋にバグが起きてしまったようで、不運なのか豪運なのか、アキラがそのバグに巻き込まれてしまったということだった。不憫であることは間違いない。
「ということは、そのゲームをクリアしないと四季凪はバグから開放されないってことですか?」
「そうなります、申し訳ないです……」
「いやいや!スタッフさんが悪いわけやないですって!」
「僕達はどうしたらいいんですか?アキラが自力でクリアするのを待ってればいいんですかね?」
「それがですね──」
アキラが閉じ込められてしまったゲームは、フリーホラーゲームの金字塔、『青鬼』。
どうやらアキラ自身がクリアすることは出来ないようで、どういった形でプレイするのかまだ分からないが、セラフ達がクリアすることが条件ということだった。
「よくわからんけど、俺らがプレイしてクリアすればアキラは出てこれるってことでええの?」
うんうんと唸っていた雲雀が、難しい顔を一変してセラフに問う。難しく考えることを放棄したようだったが、内容は合っていた。
セラフが頷くと、納得のいった表情を浮かべた。
セラフ達が案内されたこの部屋は、自宅で配信ができなかったり、ちょっとしたオフコラボや自宅へ帰れなくなったライバーが宿泊しながら配信をするための部屋らしい。
部屋の中央に置かれたテーブルの左右に二脚ずつ置かれている椅子。
先程奏斗が寝転んでいた簡易ベッドが部屋の奥の壁沿いに置かれていて、部屋の角に冷蔵庫、その隣に簡易キッチン。反対側の壁沿いに机とゲーミングチェア。
そして電源の付いたパソコンが一台。
アキラが無事ゲームから開放されるまで、この部屋にあるものは自由にしていい。冷蔵庫の中の物も好きに飲食可など一通り伝え終えると、アキラが開放されたら呼んでくださいと残してスタッフは部屋を後にした。
「よーし!俺がすぐに出したるからなアキラー!」
スタッフの退室を目で追っていた奏斗とセラフを尻目に、いつの間にかゲーミングチェアへ座っていた雲雀が両手を突き上げながら叫んだ。
雲雀の行動力に張り詰めていた心が少しだけほぐれたセラフが一つ大きく息を吐いた。
それぞれが椅子を持ってきて、パソコンへ向かっている雲雀の両隣から画面を覗き込むようにして腰を下ろした。
画面いっぱいに映し出されている黒目が大きく不気味な左目のドアップと、ブルーベリー色の肌。
大きな黒目に収まるように表示されている青鬼の文字。
画面内をクリックすると画面が切り替わり、長く続く廊下の奥からこちらに向かって迫りくる青鬼の絵のメニュー画面。
『はじめから』『つづきから』『倍速ではじめる』といったメニューが計6個表示されており、雲雀がはじめからと倍速ではじめるの上にカーソルをうろうろさせて悩んでいた。
「バッカお前!なにふざけようとしてんだ!」
「だってここは倍速にしないと配信者じゃねーじゃん!」
「別に配信するわけじゃないんだから普通でいいよ」
「たしかに!」
セラフの正論に納得した雲雀が『はじめから』をクリックした。
「アキラやーん!」
画面が主人公設定へと進むと、通常だとグレーの髪色をした黒目のキリリとした眼鏡の男キャラ、ひろしのキャラ絵が表示されるのだが、そこにはどう見ても三人の知る四季凪アキラがいたのだった。
「無駄に凝ってない?名前アキラで固定になってますやん。この画面必要あったか?」
「まぁ、これでアキラがこの中にいることがハッキリはしたな。とりまさっさとクリアしてアキラ出してやんないと」
「ホラーの世界に一人きりなんて……可哀想な凪ちゃん」
各々が好き勝手なことを言いながら、特に名前を変えることもできないため、『おわり』の文字をクリックする。
無駄にこの名前でいいのか聞かれたが、そのまま『OK』を選んで進めた。
一軒の館が映り、四人の男女が館の入り口で立ち止まった。
「うおー!俺何気に青鬼初めてやるわ!」
「はぁ?お前そんなんでアキラを取り戻せんのかって!」
「はぁ?出来るに決まってんだろ!任せろぃ!」
「不安だなぁ」
テキストを読みつつ進めると、四人は館内へと入っていった。
テンプレ通りの会話が繰り広げられていく。
「俺これ知ってる!マナーモードたけし!」
「それまだ先な」
「うわこのセリフアキラ言いそーwww」
わいわいと進めていくと、アキラが単独行動を始めるところまで進んだ。
右側の扉を潜り画面が変わると、アキラだけが廊下に立っていて、スピーカーから聞き慣れた声が聞こえてきた。
『何?!何?!何処なのここ?!身体動かないんだけど?!』
「おお!アキラや!」
「アキラ?アキラ!聞こえる?おーい!」
「凪ちゃーん!」
三人でしばらく画面に向かって声を掛けたが、アキラからの返事は一つもなかった。
どうやら声が届くのは一方通行のようで、アキラの声はこちらに聞こえるが、こちらの声はアキラへは届かないようだった。
その上、アキラが自らの意思で身体を動かすことも出来ないようだった。
「うーん、こっちの声は届かないかー」
「んじゃ、ちと動かしてみるな」
雲雀がキーボードを押すと、アキラが右へ歩き出した。
『いやぁぁぁ!身体が!身体が勝手に動くぅ!!』
「ははは!アキラぁ!」
「出ました事件性のある綺麗なプロの絶叫!」
「まぁ、事件性はあるか。てかなんだプロの絶叫て」
「青鬼といえばプロの絶叫やろがい」
廊下をうろうろと歩かせて分かったことは、やはりこちらの声は届けることは出来ずに、アキラが自力で動くことが出来ないことだった。
雲雀の指がキーから離れると、アキラの動きもピタリと止まってしまい、酷く狼狽えるアキラの声だけがスピーカーから聞こえるばかりだった。
「よしよし、だったらこの雲雀お兄さんがちゃちゃっとクリアして助け出してやるからな!アキラ!」
それなりに順調に進めることは出来ていた。奏斗と雲雀は実況動画は見たことはあったが、自分でプレイした経験は殆どなく、謎解きも大体がちんぷんかんぷんだった。
キャラコン自体は問題がなかったため、謎解き担当はもっぱらセラフの役目になっていた。
皿の破片を拾った以降、しばらく館内を徘徊しては鍵の掛かった扉をガチャガチャとするばかりの雲雀をニヤニヤと見ている二人。
小馬鹿にしてくる二人に負けじと必死に探索していると、入った部屋の中のクローゼットががたたと大きく揺れた。
「よっしゃキター!!」
クローゼットを開けると中にいたのはたけしで、ガタガタとひたすら震えていた。
「ハイきました!マナーモードたけし!」
「こいつアキラよりビビリやん!」
「もう楽にしてやろう、皿の破片で」
「裏社会しまってもろて!」
わいわいと進めているとなんだかんだで図書館の鍵を手に入れた。図書館へ行くとガッツリとヤツの姿を視認したが、それはプレイヤー視点でのことだったので、アキラには青鬼は見えていなかった。
図書館の散らかった机の上を調べると寝室の鍵を発見した。すると上の方からお馴染みのBGMを伴いながらブルーベリー色をした全裸の巨人がアキラの方へ迫ってきた。
「ちょ、ま、アァーー!!」
何をどう間違えたのか、迫りくる青鬼から逃げることなく立ち止まっているアキラ。
『え、ちょ、いやぁぁぁ!』
事件性のある悲鳴を上げるアキラへ青鬼が接近し画面は暗転、ぶつりと悲鳴が途切れ、『GAME OVER』と白い文字で表示された。
「なーにやってんだ雲雀ー!」
「おま、下手くそすぎんだろ!」
「ちげーって!ちょっとミスったんだって!」
雲雀がゲームオーバーになったためプレイヤーを交代し、奏斗がゲーミングチェアへと座る。
指をポキポキと鳴らし、首をコキコキと左右に傾けながらマウスを握る。
「まぁ?僕に任せときな……よ?」
メニュー画面に戻り、『つづきから』を選択しようとするが出来ない。
「雲雀セーブしてたっけ?」
「しとらん!」
「おいテメコラァ!!」
雲雀がセーブせずにゲームオーバーになってしまったため、『はじめから』を選択しぶつぶつと不満をこぼしながら進めていく奏斗。
一度雲雀のプレイを見ているため、図書館までスムーズに進んでいった。
「これ、セラが居なかったらクリアできなかったわ……」
ピアノの謎解きを終え、美香と再会を果たすも同行を拒否されたことにイラつきつつ、畳の部屋へ足を踏み入れた途端襖から現れる青鬼に、画面越しのアキラと奏斗の悲鳴が綺麗に重なった。
必死に逃げるも、階段で捕まってしまった。
「な、なんなのこのゲーム!怖すぎでしょ!」
キーボードから離した奏斗の手がブルブルと震えているのをみて、ゲラゲラと笑う雲雀とセラフ。
何度かゲームオーバーになりながらも、その度にプレイヤーを交代しつつ美香の犠牲を見届け、美香に擬態した青鬼に何度か遭遇しながらも舞台は別館へと移った。
人形とパズルの謎がなかなか解けずに苦戦している奏斗と雲雀がどうしても自分達で解きたいとしばらく奮闘していたが、流石に時間をかけ過ぎだとセラフが半ば強引に代わった。
早々に謎やギミックを解いていくも、タイミングが悪く美香青鬼が出現し突っ込む形で『GAME OVER』に───
なったはずだった。
悲鳴を上げるアキラがセラフの操作のままに美香青鬼へ突っ込んだ。進行方向からの突然の登場にどうにか横をすり抜けようとしたが叶わなかった。
「そこで出てくんのかよー!」
「惜しかったー!」
などと『GAME OVER』の表示を待つが一向に出てこない。
それどころか、今までならすでに途切れているアキラの悲鳴が未だに続いている。
すると、今まで聞いたことのない耳をつんざく悲痛な叫び。
驚いて三人が画面を見ると、画面にはこちらに背を向けるように立っているオカッパ頭の青鬼の姿。
小刻みに上下に揺れる頭と、徐々に赤く染まっていく足元。
単純な絵柄で動きもカクカクしているが、スピーカーから聞こえてくる声や音はとてもリアルなものだった。
ぐちゃぐちゃと響く咀嚼音、ずるずると何かを啜る音、ぼたぼたと足元を赤く染めていく液体の滴り落ちる音。
ぶちぶちと繊維状の何かを引き千切る音、メキメキと硬いものが軋み、バキボキと耐えきれずにへし折れていく音。
そしてそれらに重なって聞こえるアキラの絶叫。
激痛、恐怖、混乱……それらをぐちゃぐちゃに混ぜ合わせたような叫びが次第に力無い呻きへと変わっていく。
僅かな呻きと、言葉になっていないうわ言のような何かを呟くアキラの声。
一際鈍いボキン、という何かが折れた音と共に僅かに聞こえていた呻きが止んだ。そしてごとりと鈍い音を立てながら青鬼の足元に丸い何かが落ちた。
ここでようやく画面に赤い文字で『GAME OVER』と表示された。
三人は声も出せずに赤字の『GAME OVER』が表示されている黒い画面を見つめる。
放心状態から抜け出せない雲雀、どうにかできないかとキーボードとマウスをがむしゃらに操作していた手がガタガタと震えているセラフ。
先程の光景が目と耳に焼き付いて離れない。
視覚情報としてはとても単純なものだった為、都合のいいように解釈することが出来る。出来るのだが、聴覚情報がそれを許してはくれない。
なにより視覚情報としても最後、鈍い音と共に青鬼の足元に落ちたもの──
あれは正しくアキラの頭だったのだ。
突然のアキラの酷い光景を目の当たりにし、それを理解した雲雀は顔を青褪めさせる。ぼたぼたと涙を流しながら震える手で口元を覆う。
「ゔ、お゙ぇ゙……っ!」
口元を抑え、立ち上がった拍子に倒れたゲーミングチェアなど気にも留めず、簡易キッチンのシンクへ駆け寄り頭を突っ込むようにして嘔吐くセラフ。
先程まで楽しげだった雰囲気は跡形もなくなり、地獄のような空気が広がった。
奏斗が受けた衝撃も二人と全く同じものだった。ゲームの中とはいえ、大切な仲間が目の前で怪物に無残にも食い殺されたのだ。
アキラの悲痛な叫びが、耳にこびりついて離れない。アキラが食い散らされる音が脳内に何度もリフレインしている。
それでも辛うじて、奏斗は正気を保てていた。リーダーである矜持と、自分がしっかりしなければアキラを取り戻すことが出来ないと本能が理解していた。
アキラがこのようなことになってしまった時点でセラフは駄目だ。
雲雀ならワンチャン正気を取り戻させればいけるかもしれないと見やるが、茫然自失状態で彼にあるまじき静けさで涙を流していた。
動ける自分がどうにかするしかないと奏斗は腹を括る。両手で強く両頬を挟むようにぱん!と張り、セラフが勢い良く立ち上がった際に倒れてしまっていたゲーミングチェアを直した。
シンクにしがみつくようにしながら嘔吐き続けるセラフのもとへ行き、背中を優しく撫でる。
「セラ、セラ大丈夫?」
「ぉ゙え゙っ……か、かなと、なぎ、なぎちゃんが……」
「大丈夫だセラ。アキラのことは絶対に僕が取り戻すから」
蛇口を捻って水を出し、ハンカチを濡らしながらシンクを軽く洗い流す。
濡らしたハンカチを絞り、セラフの顔を拭っていく。止まらない涙を拭い切ることは諦め、汚れている口元を綺麗に拭き取って再び蛇口でハンカチを水に晒す。
付いた汚れを洗い流し、蛇口を締めてからハンカチを絞る。固めに絞ったハンカチで手の水分を拭き、セラフの背に手を添えて歩くように促す。
ふらつきながらも歩くセラフを簡易ベッドへ連れて行き座らせる。雲雀も引っ張ってきてセラフの隣へ座らせ、セラフを雲雀の太ももを枕にするように横に倒した。
「ひば、ひば聞こえる?」
「……かなと」
「セラがダメージ酷いから、ここでみててやって」
雲雀の膝の上、セラフは虚ろな瞳から止めどなく涙を流しながらひたすらアキラの名前を呼び続ける。壊れた蛇口のようになってしまった目元を濡らしたハンカチを置いて覆った。
数度セラフの頭を撫でると、雲雀の手が自分が撫でていたセラフの頭へ置いた。
「セラのこと頼んだよ。その代わり、アキラのことは僕に任せて!」
ぽんぽんと雲雀の肩を二度叩き、セラフのことを託した。うろうろと揺れていた視線を奏斗へ向け、しっかりと目を合わせ頷く。
雲雀が奏斗のようにセラフの髪を撫でながら小さく囁くように名前を呼ぶことを繰り返し始めた。
ひとまずセラフを気に掛けられる程度には落ち着きを取り戻した雲雀に安堵し、己の相棒にセラフを任せて奏斗はパソコンへ向き合った。
ゲーミングチェアに腰掛けると、パソコンの傍らに置いてあるヘッドホンを繋いで装着する。
一度だけ二人を振り向くと、雲雀がセラフをなだめている姿が目に入った。
雲雀の調子が戻ってきていることに一つ安堵の息を吐いて、奏斗は腕を伸ばしながら首を回し軽くストレッチをする。
指をポキポキと鳴らし、最後に首をコキリと鳴らすと目を閉じて精神を落ち着ける。
息を肺いっぱいに吸い込み、ゆっくりと吐き出していく。
ゆっくり目を開いてキーボードへ手を置き、『セーブした箇所から』を選択した。
画面がアキラが無残なことになるだいぶ前まで戻っていた。セーブをする前に美香青鬼が出てきてしまい、そのままゲームオーバーになってしまっていたのだった。
セラフがプレイしていたのを見ていたので、戻ってしまった分はスムーズに進めることができた。
手に入れた人形に赤と青の石を嵌め、燃え盛る暖炉へと投げ入れる。すると赤い石と青い石を手に入れた。
それを両目が空洞の人形へ嵌める。頭が浮き上がり、ことりと落ちた。
「っ……、」
セラフがこなしていた時は何ともなかった光景が、今の奏斗には先程の無残な光景と重なって見えてしまう。込み上がる嘔吐感を無理やり飲み下し、人形の頭を入手して一度セーブをする。
先程はこの部屋を出た途端美香青鬼と遭遇してゲームオーバーになってしまった。ここからは奏斗の頭で謎を解いていくことになる。
「待ってろアキラ……ぜってぇ連れ戻してやるからな」
今いる部屋を後にし、パズルのある人形の部屋へと向かう。運がよく青鬼は出てこなかったため、すんなりと目的の部屋へたどり着いた。
部屋へ入ると、たけしが首を吊っていた。ヘッドホンからアキラの悲鳴が響く。奏斗は画面越しでデフォルメされたものを見ているが、きっとアキラには目の前の光景はリアルそのものなのだろう。
アキラに多少申し訳なく思いつつも、さっさとパズルの前まで移動して人形の頭を嵌め込む。
かたりとパズルが外れ、テンキーが出てきた。番号は覚えていたのでさっさと入力すると、地下室の鍵を手に入れた。一度セーブをして部屋を出る。
すると目的の方向から青鬼が現れたので、慌てて逆方向へ逃げる。
隠れてやり過ごすためにクローゼットがある部屋へ逃げようと方向転換するが、焦っているせいか扉の少し手前の壁へ突っ込んでしまった。
その一瞬が文字通り命取りだった。
追いつかれると同時に響き渡るアキラの悲鳴、操作の効かないマウスとキーボード。今回は正面を向いたまま、それは繰り広げられた。
青鬼がアキラを背後から腹に片腕を回して捕まえ、もう片方の手でメキメキと左腕をねじりあげる。
『あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!い゙だい゙い゙だい゙い゙だい゙ぃ!!う、うで、うでがぁぁぁ!!』
メキメキと骨が軋み、バキボキと折れる音とミチミチと筋繊維が引っ張られ、ブチブチと引き千切れる音にアキラの絶叫。
ゲームプレイ中は自力で動くことは出来なかったのに、捕まると動けるようになるようで、青鬼から逃れようと必死に暴れ藻掻くアキラ。
渾身の力で腹に回されている腕を殴りつけるが、青鬼にとってはどうということもないようで、アキラの足掻きが与える影響は皆無だった。
むしろ暴れれば暴れるほどアキラを捕まえている腕に力が込もっていく。
背後からアキラの薄い腹に右腕を回し、左腕でアキラの腕をねじり上げ、僅かに繋がっていた筋繊維を引き千切った。
『あ゙、あ゙あ゙……、っあ゙ぐっ……!』
びくん!と大きく体を震わせ、ガクガクと痙攣する。肩から数度ブシャ、ブシャ、と吹き出るように血が吹き出し、ばたばたと床を赤く染め上げていく。
奏斗の装着しているヘッドホンからアキラの絶叫が鼓膜を突き刺し、脳を直接殴りつけるような衝撃を与える。
画面から目をそらしたい、今すぐにヘッドホンを外して投げ捨てたい。
それでも奏斗は必死に歯を食いしばる。腹の奥から込み上げて来る嘔吐感を怒りやら悲しみやら色んな感情がないまぜになったものと共に何度も飲み下す。
涙で歪む眼前を瞬きで無理やりクリアにして、画面を睨みつけるように見つめ続けた。
このアキラの惨状を招いたのは自分だと、己に焼き付けるために。アキラが理不尽にも味わわされている苦痛を誰も知らないものとしないために。
千切り取ったアキラの腕は手首も肘もあらぬ方向へ捩れてしまっていた。糸が切れたマリオネットのように、だらりと下がりぶらぶらと揺れている。
残された力を振り絞り、残った腕で腹に回されている腕に爪を立てる。傷はつかなくとも焦れるのか、青鬼はメキメキと腹に回している腕に力を込めていく。
『あ゙、ぐ……ごぽっ!!』
ありえない締め付けによりアキラの口からは大量の血液混じりの吐瀉物が溢れた。
アキラを締め上げる力を緩めることなく更に力を加えていく。
そして青鬼はだらりとひしゃげたアキラの左腕を頭上に持ち上げ、滴り落ちてくる血を仰ぎながら口内で受け止める。
しばらくそのまま血を飲み、滴る血が少なくなると切断部を口に含みじゅるじゅると舐めしゃぶるように啜った。
ある程度蟹の身を貪るように音を立てながら啜っていたが、血の出が悪くなってくるとそのままバリボリと食べ出す。
アキラは逆鯖折り状態で弛緩した体をくの字に曲げ、青鬼の腕からだらりと下げられていた。
口元から時折ごぽりと血液混じりの吐瀉物を溢れさせながらもすでに事切れており、ここでようやく画面に赤字の『GAME OVER』が表示された。
ゲームオーバーの数が二桁になろうとする頃だった。
再びアキラが青鬼に捕まってしまった。しかし、一向に青鬼はアキラを食べようとはしなかった。
『ひ、ぎ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!』
青鬼はアキラの両腕の肘を同時に逆方向へと曲げた。激痛に叫ぶアキラを無視して次は両膝。
あまりの激痛に意識が朦朧としているのか絶叫は止み、呻きが漏れ聞こえるようになった。
そしてロクに力を入れられないアキラの腕と二の腕を掴み、蟹の関節を折るように何度も曲げつつ捻り切った。
ぶしゃぶしゃと血が飛び散る腕を朦朧としたアキラの眼前へと近づける。
アキラの青い顔に勢い良く血がかかる。真っ青だった顔が真っ赤に染まっていく。
『ぐ、ぇ……お゙ぇっ』
力なく小さく開いていたアキラの口にぐいぐいと無理やり腕を押し付ける。いまだに血が溢れ続ける断面を無理やりアキラの口内へ押し込む。
満足に抵抗もできず、アキラは血を飲み込まないように嘔吐きながらも、せめてもの抵抗として力なく頭を僅かに振った。
そんなアキラを見る青鬼の顔は──
心底楽しそうに嘲笑っているように見えた。
それからも奏斗は必死で画面の中のアキラを操作し、青鬼から逃がす。これ以上アキラを悲惨な目に遭わせたくない一心でキーボードを叩く。
しかし、どれだけ警戒していても予想外のタイミングや場所から出現したり、謎解きに割かれる思考を突かれたところに出現したりとアキラは青鬼に幾度も捕食された。
ゲームオーバーの回数を重ねる度に、青鬼の捕食の様子も変わっていった。
最初の頃はただ食うことに重きを置いていたように思う。どれだけアキラが叫ぼうが、逃れようと必死に藻掻こうが殴りつけようがひたすら捕食することを優先していた。
直接食い付き、歯で噛みちぎり、咀嚼し飲み込む。手羽先を食べるように骨を折って食べやすくすることもあったがあくまで『食す』ことに重きを置いていた。
この時は一息に頭を噛み砕くなどアキラが即死することも多くあり、まだ苦しまずに終わることが何度かあった。
しばらくすると青鬼は少しずつ『味わう』ことを楽しみ始めてくる。腕やら足やらを捥ぎ、そこから滴る血を味わったり、胴体を真っ二つに引き千切って臓物を啜ったりと部位による味の違いを楽しみだした。
そして今ではアキラの反応を楽しみだしている。
故意に指の骨を一本ずつ折っていったり、ゆっくりと時間を掛けながら両腕や両足を左右に引っ張り、どちらが先に千切れるか楽しんだり、痛みと失血で朦朧としているアキラに見せつけるように体の部位を食べたり……
つい先程などアキラからむしり取った腕をアキラの口へねじ込んだりもしていた。
恐怖や激痛に喘ぎ、苦しみ叫ぶアキラの声にニンマリと目を細め、ズタボロにされ弱り果てたアキラの姿を心底楽しそうに見ていた。
奏斗は風楽ファミリーの嫡子であり、自分が継ぐつもりはなくともそれなりに家業の手伝いというものはしてきた。現在も家を頼る際は代わりに頼まれごとをこなす事だってそれなりにある。
世間一般的なマフィアとは違って基本的には法に触れるようなことはしていない。むしろ違法売買や調子づいた奴らや敵対組織などへの制裁などを行っており、治安維持に貢献している。
とはいえ、それでもやはりマフィア。治安維持のための手段は後ろ暗いし、日本では認められていない武器なども使う。ファミリーにとって邪魔だったり裏切り者などは容赦なく処理している。
あくまで治安維持のためとはいえ、法に背くことをしているファミリーを正義の味方とは言わないが、必要悪ではあると奏斗は考えている。
ファミリーを継ぐつもりはなく青年実業家として社会生活を生きているが、そんな家の嫡男として生まれた奏斗の手はそれなりに汚れている。自らの手でケジメを付けてきたことも、両手の指では足りないほどこなしてきた。並大抵のことで揺らぐようなメンタルなど持ち合わせてはいない。
そんな奏斗の心をへし折るに足る惨劇が、目の前で幾度も繰り返されている。本当ならもうとっくの前に限界を迎えていてもおかしくはなかった。
それでもいまだにゲームへ向き合っているのは、一刻も早くアキラをこの地獄から取り戻したい、それだけだった。
これまで処理してきた奴らがどれだけ泣き叫ぼうがなんとも思わなかったし、容赦なくソイツがしでかしたことに見合った仕打ちを淡々と下したことだってある。
ぐちゃぐちゃの体液やら肉片の汚さに顔を顰めたことも何度もあるし、汚さに対する不快感はあれどそれなりに見慣れた光景ではあった。
しかし、画面の中で繰り返されている惨状は全くの別物だった。
奏斗は家族のように大切に思っている存在が見るも無残な姿になる過程を何度も見せつけられ、命尽きるその瞬間を何度も見届けることを平気とする人間ではない。
同じく家族のように大切にしている雲雀とセラフが参ってしまっており、アキラを救えるのが自分しかいないという現状がどうにか奏斗の心を折らせずにいる状態だった。
そんなギリギリ保っていた奏斗の目の前が真っ暗になる事実が、ヘッドホンを通して突きつけられた。
これまでも何度か、声にならないうわ言のような呻きのように呟く口元を見てきた。虚ろな目ではくはくと動く口元ばかりで言葉として認識することは出来ていなかった。
それがヘッドホンを装着していることと、此度の現状が噛み合った結果、初めて聞き取れることが出来たのだった。
『あ……あ……た、けて……たす、けて……せら、ぉ、か、なと……たらい……』
これまで命を落とした回数分、ずっとアキラは自分たちへ助けを求めていたのだ。それが叶わず、理不尽に与えられる恐怖や激痛を抱えながら、一人孤独と絶望の中で命を散らせていたのだと理解した瞬間、
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!アキラアキラアキラぁぁぁぁ!!!!!」
とうとう奏斗は頭を抱えながらゲーミングチェアの上に蹲った。
何度、何度僕はアキラを死なせてきた?
初めてアキラの絶叫を聞きながら、アイツの死に際を見せつけられて以降、打ちのめされた二人の分までずっと僕一人でアキラを操作してきた。
全てのアキラの死に際を見届けてきた。
その中で即死の時以外、藻掻くことも叫ぶことも出来なくなったアキラが何かを呟くように口を動かしていることは知っていた。
それを僕は精一杯呼吸をしているものだと思っていた、思い込もうとしていた。
アキラの生死を握っているプレイヤーとして、なによりリーダーとして、自分のミスで悲惨な目に遭わせてしまっているアキラの最期を見届けるのが責務だと、ちゃんと見ているつもりだった。
それなのにずっと見逃していた、見えないふりをしていたのか、僕は……?
『あ……あ……た、けて……たす、けて……せら、ぉ、か、なと……たらい……』
『いた、い……いたい……せらお、いたい……いたいよ……せら、お……』
『かなと、どこ……かなと……わたしここ、ここなの……たすけ、て……』
『たらい……たらい……しに、たくな……まだ、いっしょに……みんな、と……』
『しに、たくない……しにたくない……あいつらとまだ、いっしょ……に、いきたい……いきたい……』
これまではアキラを貪る音が、痛めつける音が、アキラの言葉をかき消していた。言い訳なんていくらでも出来る。実際にそうだった。
でも、そんなものアキラに対して言えるか?アキラに聞こえなかったから仕方なかったんだと許しを乞えるか?
いつもの下らないじゃれ合いとは訳が違う。文字通りアキラの命がかかっていて、実際に何度も命を落としている。
きっと優しいアキラなら許してくれるだろう。でも、僕は僕自身を許せなかった。
雲雀に膝枕をされながら虚ろな目でひたすら流れる涙を目元に置かれたハンカチに吸い取られ、時折嘔吐しているセラフの肩を撫で叩きながら、柔らかい髪を梳くように撫でていた。
うわ言のようにアキラを呼びながら泣いているセラフをあやしているうちに、雲雀の心は少しずつ落ち着きを取り戻していた。
「ぎ、ちゃ……なぎちゃ、なぎちゃん……」
「せやな、アキラのこと、助けたろな。アキラのこと取り戻したらしばらく休みもらって四人でゆっくり過ごそっか」
「や、すみ……?」
「そ、まとまった休み。どっかに出かけてもいいし、ランドリーに籠ってひたすらのんびりしても良さそうやない?」
「……のん、びり?」
「俺が美味いもんいっぱい作るからさ、アキラにめちゃくちゃ食わしたろーよ」
「なぎちゃん……ごはん?」
「そ!いっぱいしんどい目にあってるんやからさ、俺達で労ってやろーよ、な?」
「ん……おれも、つくる」
「おん!俺とセラおで美味いもん作ってさ!アキラの腹はち切れるくらい食わしたろうぜ!」
雲雀との会話でセラフも少しずつ落ち着きをとりもどしつつあった。
アキラを取り戻した後どうやって過ごそうかと考えながら、何度も脱色を繰り返しているのに柔らかくふわふわしているセラフの髪を撫でていると、もぞりと膝の上で身じろぎを感じた。
むくりと起き出し、ぱさりと落ちたハンカチをそのままにじっと雲雀と視線を合わせる。
「大丈夫か?」
「ん、大変なの俺じゃなくて凪ちゃんだし」
「せやな、早くアキラのこと助けてやらんと……」
「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!アキラアキラアキラぁぁぁぁ!!!!!」
セラフと雲雀がどうにか気持ちを持ち直した直後、パソコンに向き合っていた奏斗から悲痛な叫びが響いた。
二人は弾かれたように簡易ベッドから立ち上がり、すぐさま奏斗へ駆け寄った。
「奏斗?奏斗どうした?」
「奏斗、それ痛いからやめな」
頭を両手で抱えながら、ガツガツとデスクの角へ額を打ち付けている奏斗を雲雀が慌てて押さえ込み、セラフがこれ以上打ち付けないようにデスクと奏斗の間に体をねじ込んだ。
画面を確認すると赤字の『GAME OVER』の文字が表示されている。
ヘッドホンを外し顔を上げさせると、涙で濡れた瞳が瞳孔を収縮させながらキョロキョロと泳いでいる。
浅い呼吸を繰り返し、「アキラ、アキラ、」とうわ言のようにアキラの名前を呼んでいた。
「奏斗、奏斗ごめんな?ひとりでずっと頑張ってくれてたな、ごめんな奏斗、ありがとな」
「奏斗、奏斗ごめん。辛いの雲雀だって奏斗だって一緒なの当たり前なのに、辛いこと全部奏斗に押し付けてごめん」
ゲーミングチェアを後ろへ少し動かし、セラフは正面にしゃがみ込んで奏斗の顔を見上げた。
毟らんばかりに髪を握りしめている手を丁寧に外して、奏斗の膝の上で握りこむ。
「ごめん奏斗。ちゃんと俺も向き合うから、もう逃げないから、何があったのか教えて」
「俺達でちゃんとアキラを取り戻そう」
「……わ、かった」
ずびずびと鼻を鳴らしながらも、奏斗は二人の言葉に頷く。
バグ発生から数時間、三人が本当の意味で力を合わせてアキラ救出に向き合うのだった。
それからはゲームクリアまで早かった。
游戏操作继续由奏斗负责,解谜则由塞拉夫承担,而云雀则凭借其天生的直觉,将青鬼出现的时机等信息告知奏斗。
奏斗的操作固然出色,但云雀的直觉更是敏锐得可怕,以至于即便与青鬼遭遇,也从未被抓住过。
在嵌入最后一块拼图时,因库存中存有卓郎青鬼而遭到追赶,但按照云雀的建议,成功周旋逃脱。
再次回到带有画框的通道,嵌入最后一块拼图后,咔哒一声,钥匙开启的声响回荡开来,众人朝那个方向走去。
“大概从这里出去后青鬼就会出现,所以先存个档再出门吧。”
“知道了。不过我可没打算死就是了。”
存档完毕后穿过门扉。沿着通道继续前进,熟悉的BGM响起,卓郎青鬼追了上来。
登上阶梯,来到了下着雨的室外。一路向下,不停地走,走,走。
画面在静静伫立、目送着成功逃脱的秋良的卓郎青鬼镜头中暗下。
咚的一声从身后传来,三人转过身去。秋良正躺在简易床上。
看着仰面熟睡的秋良,三人一时仿佛时间静止般动弹不得。
最先恢复神智的云雀慌忙跑出房间去叫工作人员。因云雀的行动而回过神来的塞拉夫,立刻冲向秋良身边。
当云雀带着工作人员回到房间时,只见塞拉夫正处于混乱状态,紧抓着秋良不停呼唤着他的名字;而奏斗则背靠着电竞椅,目光空洞地望着天花板,默默流泪。
云雀拜托工作人员叫救护车后,为了安抚塞拉夫,先一步走进了房间。
“唔……嗯?”
秋良醒来时,映入眼帘的是陌生的天花板颜色。由于没戴眼镜,视野模糊不清,他因睡意而惺忪的眼皮眨了几下。
头脑比平时更昏沉,身体沉重,思维难以正常运转。
为了看清周围,他想伸手去拿眼镜,却发现完全动弹不得。
将视线转向自己的身体,只见熟悉的三人以坐在椅子上、俯身趴在秋良身上的姿势睡着了。
三人脸色都不好,眼下带着黑眼圈。
秋良小心翼翼地挪动身体,尽量不吵醒三人,成功解放了双臂。
摸索着够到周围,幸运的是眼镜就在触手可及的地方。
正犹豫着该怎么办时,戴上眼镜,却与不知何时醒来的奏斗目光撞个正着。
以秋良胸口为枕的奏斗,眼中滚落出泪水。一滴落下后,紧接着便扑簌簌地不断涌出,大吃一惊的秋良困惑地向奏斗问道。
“奏斗?怎么了奏斗?没事吧?”
“啊、秋良、秋良……”
奏斗像爬一样从胸口挪上来,抽抽搭搭地用双臂环住秋良的脖颈紧紧抱住。
奏斗呜咽着,将头在秋良肩头蹭来蹭去,秋良虽然困惑,但还是轻拍着他的背安抚。
当秋良的体温和悦耳的低音呼唤着自己的名字,奏斗渐渐平静下来时,另外两人也相继醒来。
秋良也不得不对另外两人采取了和奏斗同样的应对方式,好不容易平静下来的奏斗也被两人影响,再次变得抽噎起来。
当三人好不容易都平静下来时,秋良已经像育儿疲惫的母亲一样精疲力尽。
虽然眼睛哭得红肿,但神情却似乎有些释然,三人身体的某处仍触碰着秋良,重新坐回椅子上。
秋良将床背升起,与三人相对,听他们讲述事情的经过。
他被告知,那个『不完成就出不去的房间』发生了故障,不幸的是秋良被卷入其中,被困在了青鬼的世界里。当奏斗他们操作游戏内的秋良通关游戏后,秋良就突然出现了。
听完三人的解释,秋良轻松地回应道:“哦——原来发生了这种事啊。”看来秋良对游戏内的记忆一无所知,他本应在Room4S处理事务工作,回过神来时却发现自己在病房里睡着了。
三人交换了一下眼神,决定不把游戏内的事情告诉秋良。
没有必要特意让他知道那样的事。秋良能不受任何惊扰,心境平和地度过每一天,是此刻三人最大的心愿。
秋良连续睡了三天,但醒来后经过轻度诊察和检查,未发现异常,经医生许可,当天便获准出院。
秋良切实感受到,睡了三天后,这是近年来身体状态最好的时候。
他对经纪人说现在感觉什么工作都能胜任,结果被告知别说工作了,需要休息一段时间。
而且最重要的是,只要秋良稍微离开他们的视线,三人就会慌乱地开始寻找,因此VOLTACTION全体成员决定暂时停止活动。
想回自己家,但三人也会跟来,毕竟四个人一起过夜的话寝具实在不够。
于是,暂时在洗衣店开始了共同生活。
不完成就出不去!End.
不通过就出不去!
クリアしないと出られない!
全部都是幻想。全是虚构。纯属个人妄想幻觉。与现实中的任何人物及相关人员无关,敬请谅解。
简单的故事倾向▼
▶ 被困在“不完成某事就无法离开”的房间里,卷入bug的受雇者。
▶ 为了让受雇者能从青鬼的世界逃脱,三人操控受雇者进行游戏!
▶ 受雇者会被青鬼啃咬、揉捏得不成样子。
▶ 三人崩溃大哭,精神彻底垮掉。
我主推rm4,所以对受雇者有些扭曲的执念。对此感到不适的读者请注意。因为是最推的角色,所以对受雇者特别偏袒。适合能接受一切的读者。
感想请发在这里↓
https://wavebox.me/wave/7q7saybbp2ipsjc9/
雪也