【第一话】毛绒玩偶疗法
这个时代,治愈无疑不可或缺。
日本的GDP跌至历史最差,推动经济的上班族们找不到活力,日复一日浑浑噩噩地往返于公司和家之间。然而税金却一点也不便宜。
人们寻求着各种各样的治愈。
人们的喜好千差万别,治愈的种类多如繁星。在这样一个时代,大家知道“动物疗法”吗?
所谓动物疗法,就是通过可爱的动物获得治愈,从而减轻压力、建立自信,以此促进精神健康的恢复。
不仅限于可爱的动物,最近内置机器人的毛绒玩偶以及VR等也备受瞩目,治愈产业的发展令人刮目相看。或许是因为社会中对治愈的呼声很高吧。可以说这是一个发展非常迅速的领域。
……嗯,正经话题就先聊到这里吧。
我是杉谷卓也,今年30岁,单身。同事们都叫我“杉谷”。
因为在一家不起眼的街道小工厂工作,所以到了30岁还是单身。本来就没有什么邂逅的机会,也没钱,实在没办法。
不过,因为我有即使不结婚也能满足的爱好,所以倒也没有那么强烈的结婚愿望。
我的爱好,当然对家人是绝密的,从未透露过。对亲近的朋友也一样。
唯一知道的,是在SNS上认识的有共同爱好的同好。这个爱好,特别是在现在的日本,并非被社会广泛接受,而且会被认为“一个大老爷们儿怎么搞这个?”——这让我觉得很羞耻,所以没法对任何人说。
这个爱好,就是玩偶服(着ぐるみ)。
在网上搜索“着ぐるみ”,会出现吉祥物类、以自制为主的兽装类、人偶类等等。而我的情况是对吉祥物类和兽装类感兴趣。
身体被像毛毯一样蓬松的毛皮覆盖,体型圆滚滚的,模样可爱至极的玩偶服,我简直爱得不行。
我自己穿上玩偶服享受其中也很喜欢,从外面看着玩偶服也很喜欢。不过嘛……或者说我会对玩偶服里面的空间感到一种性兴奋……该怎么说呢,也有许多说不清楚的地方,简单来说,我是个玩偶服控。
明明外表可爱,但玩偶服里面又热又闷,而且还很潮湿。一旦穿上,就不被允许轻易脱下,必须在客人面前元气满满地表演。在这样的玩偶服中,一定有不为人知的人正精神饱满地注入灵魂。而面对这样的存在,我……该怎么说呢,会感到一种性兴奋。
尤其是看到在大型主题公园或吉祥物秀等活动中活跃的玩偶服时,更是怦然心动。这些玩偶服很多都是头与身体相连、手脚一体型,气密性非常高。为了完美塑造出与人类相差甚远的生物,里面的人要承受难以想象的辛苦。因此,网上有时也能看到玩偶服的毛皮因汗水而湿透、或“里面的人”喘不过气来肩膀起伏的场景,看到这些我就觉得难以忍受。毫无疑问,我会为那些在玩偶服中拼命忍耐、努力表演的人感到兴奋。
啊……这个吉祥物,腋下和脖子周围的毛皮都被汗水浸透了……。
如果换成是我在这身辛苦的玩偶服里面……
我每晚都在网上冲浪寻找这样的情境,用来当作配菜。
一边看着在烈日下工作的吉祥物、毛绒玩偶们的照片和视频来兴奋这件事,我怎么可能对没有共同爱好的人说呢?就算说了,也不知道该怎么解释。
闲话休题。
我想我已经很了解我喜欢玩偶服这件事了,但对于“玩偶服能治愈你吗?”这个问题,感觉方向有点不太一样,所以答案可能会是No。
在被治愈之前,光是看到玩偶服,就会无比羡慕里面的人,甚至嫉妒。看到吉祥物的迎宾活动,确实会感到开心,但之后嫉妒心总是忍不住涌上来。
我羡慕那些穿着玩偶服,在里面忍受闷热痛苦的人。因为这种情绪,我觉得自己从来没有被玩偶服治愈过。
……
不,应该说“曾经觉得”更合适。
就在前不久,我自己也搞不懂为什么接触了这个内容,总之确实被治愈了。既感到治愈又感到满足,即使是辛苦的工作,第二天也觉得充满干劲。之后彻底迷上也是事实。
“毛绒玩偶疗法”
就是那样的内容。
我想稍微解释一下这个毛绒玩偶疗法。你问为什么?这个稍后会好好解释的。
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初夏的夜晚。闷热得难以入睡,但我仍专注于寻找“配菜”的深夜11点,坐在电脑前。
“毛绒玩偶疗法” 这是啥……?
要不要和可爱的毛绒玩偶一起享受治愈时光……?
今天也为了拿玩偶服当配菜,正在某SNS上闲逛,突然看到了这样一则广告。这是最近几乎已经绝迹的弹窗广告。
通常会被浏览器拦截的弹窗广告。……是病毒还是间谍软件什么的吗?
真麻烦啊。想着,我准备点击关闭按钮。
但在此之前,广告内容相当戳中我的兴趣点。和毛茸茸的玩偶说话、互动……被治愈……?
嚯,还有这种内容啊。确实,广告上刊登的是可爱的毛绒玩偶……不,更像是玩偶服吧……?
嗯——,不过也可能是奇怪的成人广告。
我战战兢兢地点击广告,进入了页面。
“和毛绒玩偶说话,一起被治愈吧♪”
“会员限定全包间!”
“一杯饮品15分钟○○日元起,首次30分钟免费・・・”
……嗯。
简单来说,就是和缝制玩偶(大概是指玩偶服吧)一起喝饮品、做游戏、聊天,也就是所谓的包间问候服务之类的东西。
但是,总感觉非常像夜总会。这明显是个可疑的店吧……?
而且广告上那可爱的缝制玩偶……与其说是缝制玩偶,不如说是玩偶服吧……?
唔,不过也可能是奇怪的成人广告。
我战战兢兢地点击广告,进入了页面。
“和缝制玩偶聊天,获得治愈吧♪”
“会员限定完全包间!”
“含一杯饮品15分钟〇〇日元起,首次30分钟免费……”
……嗯。
概括来说,就是和缝制玩偶(虽然我觉得多半是玩偶服)一起喝饮料、做游戏、聊天,类似所谓的包间互动问候服务。
不过,总觉得像是夜总会那种感觉。明显是不正经的店吧……?
而且,广告上刊登的……与其说是可爱的缝制玩偶……不如说是玩偶服吧……?
嗯——,不过说不定是奇怪的成人广告。
我战战兢兢地点击广告进入了页面。
“和缝制玩偶聊天治愈吧♪”
“会员限定完全包间!”
“一杯饮品15分钟〇〇日元起,首次30分钟免费……”
……嗯。
简单来说,似乎是和缝制玩偶(多半是玩偶服吧)一起喝饮料、玩游戏或聊天,所谓的包间互动问候服务。
不过,总觉得很像那种夜总会之类的店。明显是不正经的店吧……?
而且啊,要说起来,怎么会让我碰上这种広告呢。我明明是个对Masters of Puppets 风格的玩法没有兴趣的健全成年男性。
虽然这么说,但我正因为平时那些兴趣而烦恼,所以心里还是有点好奇的……要是能触碰那些毛茸茸的玩偶,说不定会很棒。
我一边这么想着,一边往下翻看广告页面。
看到“治疗用”这几个字,我的目光停了下来。
“缝制玩偶疗法(Stuffed Animal Therapy)”
“~写给被玩偶装吸引的您~”
地址是东京都〇〇区〇〇町〇〇番地。
が、しかし、待て。さっきから妙に引っかかることがある。
何故“治療”なのだ?キャバクラであれば、治療は名乗れないし、そもそも完全個室でドリンクを提供して、縫いぐるみ(着ぐるみ?)と遊ぶことを治療と表現するのは変だ。
いや、もしや、この場合は治療という意味ではなく、セラピー=療法という意味か?世の中には、アニマルセラピーなんてものがあったりするが、まさか着ぐるみセラピーというのが存在するのだろうか?
アニマルセラピーのように、着ぐるみセラピーは、着ぐるみと触れ合って心を癒す事を目的としているのか?
もしかしたら最先端の医療が、こんな場所でひっそりと行われているのかもしれない。
“俺はエロいことしか考えていないのか?”
そう言いたげな老婆からのお叱りを受ける前に、俺は気になる広告の詳細へと潜り込んだ。
内容は至ってシンプルだ。
「深く重い悩みを抱える皆様へ
我々縫いぐるみセラピーは、高品質な縫いぐるみ(マスコット)とのふれあいや会話によって、あなたの心の疲れを癒し、明日への活力を取り戻すサポートをさせて頂きます。
当サービスは、完全予約制で秘密厳守。
完全個室で受けるカウンセリング形式のセラピーです。
お気軽にどうぞ。」
へぇ、どうやら完全にアダルトな店じゃないみたいだな。だけども、すごく胡散臭い。
この手の怪しい広告は、大概何か裏があるんだよなー。とか思いながら、俺はその店のホームページを眺めていた。
こ、これは・・・!!
そのホームページには、色々な写真や動画が掲載されていた。そこで俺は運命の出会いを果たしてしまった。
うおっ、これは、これはっ!すげぇ!!
大型テーマパークのマスコット達が、パレードをしている時の写真だ!!しかも高解像度!!
あぁっ、たまらない・・・着ぐるみ可愛いぃ…!
こ、これは、ファーが汗でびっしょりじゃないか!
着ぐるみの中の人は相当な暑がりなんだろうな・・・苦しいだろうに・・・。
必死にパフォーマンスしている中に人は、さぞ大変な思いをしているのだろう・・・。
その姿は、まさに芸術だ。どう見ても、中の人が苦しんでいる。なのに、お客さんを楽しませる為に、一生懸命パフォーマンスしているのだ。なんて健気で愛おしい存在なんだろう。
俺はすっかりこのお店のサイトに魅入られてしまった。あーでも如何わしい店に間違いないだろうな。怪しいし。うん。
たぶん、だけど。
だが、興味はある。うん。サイトをちゃんと隅々まで見よう。
サイトのトップページには、本当に可愛らしい縫いぐるみさんが紹介されていた。縫いぐるみさんと言うには少し違和感があるが、いわゆる“きぐるみ”というやつだ。見た目は縫いぐるみそのもの。マスコットショーやテーマパークで見るあの着ぐるみそのまんまだ。
ぬいぐるみと勘違いして触ってしまいそうなふわふわした見た目。
それに思わず見とれてしまうぐらい可愛らしいデザインなんだ。
うーん、どうしても中の人が居る着ぐるみに見えてしまうな。それもかなり美人の方のプロの方が入っていそうだ。
何故なら、その着ぐるみが立ち振る舞いが綺麗というか、所作が美しいからだ。あれはかなり経験を積まないと出来ない動きだ。間違いない。
そして俺はその、着ぐるみの所作を綺麗に保つ中の人に、いや、着ぐるみそのものに対して興奮を覚える。
[newpage]
【第二話】出会い
そんなある日。俺は意を決して、その縫いぐるみセラピーとやらに足を運んでみることにした。
別に普通に考えれば出会いを求める訳でもないのに、なんかマッサージ店の宣伝を見た時の気分に似ているな?と思いながら、駅前にこじんまりと佇む雑居ビルの一階に店を構える、ピンク色の可愛らしい外観のお店の前まで来た。
お店の名前は「ひみつのおへや」という。隠れ家的な雰囲気を醸し出している。
俺はその店の外観を見ながら、あのホップアップ広告を見つけてから、色々と調べたことを思い出していた。
このお店のホームページを調べてみると、店員さんのプロフィールやコンセプト等が掲載されており、実に沢山の縫いぐるみさんが居るようだ。可愛らしい縫いぐるみと、お話ししたり、触れ合ったりするだけで心が洗われるような気がする。
料金は想像していたよりリーズナブルな価格帯ではある。キャバクラなんかよりは相当安い。しかも、サービスはしっかりしているらしい。
あまりの可愛さに思わず心を奪われた俺は、いても立ってもいられず予約サイトから申し込みをしてしまった。
そして当日。
店の場所は少し分かりづらかったが、時間に余裕を持って出発したため、余裕を持って辿り着くことができた。俺は少し迷いながらも店の前に立っていた。
店の名前は『あにまる*らんど』。
表から見る限り、本当にアニマルセラピーを提供しているかのような内装である。いや、逆にこの店こそがアニマルセラピーの最先端なのかもしれない。壁には動物のイラストやら写真やらが飾られていて、癒し空間を演出している。
店員に連れられて、個室へ向かう。
俺は店員さんに連れられて薄暗い通路を進んでいく。このお店は個室の入り口に暖簾がかかっており、中の様子を伺い知ることは出来ないようになっている。
「こちらです。失礼しますね。」
そう言われて通された部屋は、完全に個室になっている。ドアを開けると中はカーテンで仕切られており、カーテンの向こうにはソファーとローテーブルが見えた。壁には可愛らしい縫いぐるみさんたちが並んでいて、何より畳の部屋に小上がりがあり、その上に縫いぐるみさんが座っている様子が伺える。ほんのりと甘い香りも漂っている。アロマの香りだろうか。
うん、いかにも高そうな雰囲気だが、あまり高くない店を選んだはずなんだがな。しかし、部屋の中は清潔感があるし、リラックスできそうな雰囲気はプンプンしている。
店内は完全個室のため、他人を気にする必要もなさそうだし、ゆっくりできる。
一見すると、健康的で可愛らしい空間だ。
・・・
まぁ確かに、この年でこの店はさすがに気まずいというか、背徳感があるというか、入りづらいわ。店構えも立派な一軒家だし、ここは本当に大丈夫なのか?
この場所、俺の家からは結構近いところにあって、前々から気になってはいたものの、踏み出すことができなかった。何せ高確率で完全に趣味の世界の人達のたまり場とみたからだ。
たまたま、今日見つけた広告で踏み出すことが出来た、という訳だ。
「あ、どうも…。えっと…。」
受付のお姉さんは、いわゆるメイド服に身を包んだ綺麗な人だった。アニメやゲームによくありがちな、メイド服の上にエプロン、頭にフリル付きのカチューシャ。職業的なメイド服ってやつか。
「ご予約はおありですか?」
「い、いや。今ホームページ見たんですけど。これってあってるのかな?」
受付のお姉さんにホームページを見せながら、俺は少し戸惑いながら聞いた。
会社からの帰り道で見かけた小さな看板を見て、ほぼ衝動的に来てしまったのだ。
とにかく気になったこの店に訪問してしまったわけだが、その入り口は、高層マンションの一室を間借りしているという作りで、一見普通の住宅としか思えない外観だった。普通のマンションの一室が店舗のようになっているのだろう。
「はい、こちらが縫いぐるみセラピーでございます。ご予約はございますか?」
受付をしている綺麗な女性が、営業スマイルで対応してくる。
ちょっと、というかかなり恥ずかしいが、ここの存在を教えてくれた同僚に予約を入れてもらってある。
「あ、すいません。杉谷というものですが、予約してあるはずです」
「杉谷様ですね。少々お待ちください。あ、ありました。杉谷様ですね。それでは、お部屋までご案内します。こちらへどうぞ」
そのまま綺麗な女性に連れられて、薄暗い廊下を進んでいく。
ドアの前で止まり、
「こちらが本日ご利用いただくお部屋になります。担当の縫いぐるみさんが参りますので、しばしお待ちください」
そう言って綺麗な女性は去っていった。
うーん、来てみてはみたものの、やっぱりキャバクラみたいな感じがどうしても拭えない。変な勧誘とかされたらどうしよう。いや、でももうここまで来たからな。とりあえず入ってみるか。
ドアを開けて中に入ると、そこは少し薄暗い部屋で、二人掛けのソファとテーブル、それに大きな縫いぐるみが何体か置いてあった。テーブルの上には、先ほど申し込んだワンドリンクが置いてある。
まぁいわゆる普通の個室だ。俺はソファに腰かけてドリンクを飲みながら、縫いぐるみが動き出すのを待つ。
店員に聞いた話では、この部屋に縫いぐるみさんが来てくれて、ゲームやお話をしてくれるとのこと。まだまだ全容がよくわからないけど、体験してみれば分かるか。
そう思ってしばらくすると、部屋のドアが開いた。
「お待たせしましたぁ。本日はご利用ありがとうございます」
現れたのは、パンダをモチーフにした着ぐるみ。全身を覆う白と黒のファー。体の大きさは中に人間が入っていると思えば一回り大きい位か。いわゆるきぐるみの体型にありがちな寸胴と言うか、ずんぐりむっくりとした体型のパンダ。ふわふわした毛並みで、俺のツボを突きまくってくる。
「えっ、わぁっ!?」
あまりにも突然着ぐるみが出てきたので俺は素っ頓狂な声が出てしまった。
「あらあら、声を上げてビックリしちゃった。 はじめまして!私はぬいぐるみのぷくぷくって言います!お名前、教えてもらえますか?」
「あ、はぁ…杉谷卓也です」
「たくやくんですね!本日はご来店ありがとうございます!せっかくなので、たーっぷり癒されてくださいね!」
ぷくぷく、という名前らしい。デフォルメされた大きな二頭身の縫いぐるみで、白い肌触りの良さそうなファーが印象的なケモノ系の縫いぐるみ。
いや、これはもしかしなくても、縫いぐるみじゃなくて着ぐるみだ。
着ぐるみの中に人が入っていることは確実。そして、こんなところに呼び込んでおいて、中で汗だくになって俺を癒やしてくれているのか。たまらない。
想像しただけで、着ぐるみの中の過酷な環境を思い浮かべてしまう。蒸れて、暑くて、暗くて、苦しくて、圧迫感があって、外の世界から遮断された空間。中の人にしか分からないその空間に俺は強く惹かれてしまっている。
まぁ実際は、中に人がいるかどうか確かめる術はないんだけど。誰かが入っていると信じて俺は広告をクリックした。
先ほどから俺は俺の生息域である自室でPCの前でブログを巡回している。
そんな生活に慣れているので、広告が現れてもいつものように対応していた。
その広告をクリックしたのは、広告に映っている縫いぐるみが非常にもっふもふしていたからだ。画面からでも伝わるボリューム感。まずこれは間違いなく着ぐるみだ。それも高密度で超極細のマイクロファイバーによる、高級で着心地の良い、もこもこ系着ぐるみだ。
それにこの縫いぐるみ、最初は何の動物かわからなかったが、よーく見るとトカゲか何かだろうか?見ようによっては、ちょっと不気味だが、何と言うか、、、妙に存在感がある。
首から腰、そして太ももにかけて、背中にはふさふさのタテガミのようにたなびく長い毛が。四足歩行のクマの様な体つきをしているが、首から上が妙に頭が大きい。つぶらな瞳と、パカッと割れた頭にちょこんと乗ったベレー帽が可愛らしい。
全体的に白い体に、背中と首には白色を基調としたタテガミのような長い毛が生えている。長く伸びた手足、人間で言えば3等身というところだろうか。なんともコミカルで愛らしい風貌だ。
広告のイラストに添えられていた短い紹介文には、”マスコットキャラクターに触れ合えたり、お話したりしながら癒されましょう”的な事が書いてある。
このマスコット、体の構造が、明らかに着ぐるみのそれだった。何故なら、顔と首にファスナーらしきものが見えたからだ。これはもしや俺がドはまりしている大型テーマパークにいそうな、あの本格的な着ぐるみじゃないか?!
こんな経験、初めてだ。
夜な夜なネットサーフィンしている時に、突然こんなドストライクの広告が出てくるなんて。というか、俺のスマホはいつも俺の性癖を把握して、おすすめ広告を表示している。もはやお見通しなのだ。
もう少しで閉じるところだったこの広告。今は大変興味深く見ている。詳細な料金は、書いてみると流石にアレなので省くが、会社の健康保険証を見せて、役所で確定申告書を貰ってきて、源泉徴収票と併せて提出すれば健康診断が無料で受けられると言う、私の住む市町村の健康診断受診票に記載されている、全ての項目を満たしているくらいの料金設定だ。
ん〜、しかし、ある程度時間が経ってしまったし、そろそろオカズを探すことにしよう。本当に変な店だったら、どうしようもないし、慎重にいくべきだ。
俺は広告を閉じ、いつものようにSNSを巡回し始めた。
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翌日。仕事を終え、いつものように夕飯を済ませて、自室でネットサーフィンをしていると、また例の広告が目に留まった。
またこの広告か、そう思いながらもついついその広告をクリックしてしまう。人間の心理として、「気になるものはクリックしてしまう」のだ。
“縫いぐるみさんとお話して癒されよう♪”
今日もこの広告が出ている。何度見ても内容は同じ。
(またあの縫いぐるみのところか。うーん、縫いぐるみねぇ。まぁあの時は時間もなかったし、サイトの中身まで見てなかったな。そういえば、あのサイトのどこにもメンズ、レディースって書いてなかったような…。女性専用だったらどうしよう)
俺はそう考えながら、再度、そのサイトを開いてみた。
サイトには“お部屋のタイプを選択してください”と書かれており、3つのコースが載っていた。どうやらこのサイトは会員制のサイトのようだ。
その3つのコースとは
1つ目は、ぬいぐるみとお話ししよう、と言わんばかりの“トークコース”。
二つ目は、ぬいぐるみと触れ合いながらお話しする、と説明書きがある“ふれあいコース”。
三つ目は、名前を見ただけでドキッとする“ぬいぐるみに包まれるコース”。
どんなプランなのか、もう少し詳しく見てみることにしよう。
すると、料金などの詳細が表示された。
“コース内容
動物さんとお話ししましょう!触れ合いも出来ます!
15分1,500円/30分3,000円/60分5,000円
動物さんのお世話や えさやり、 トレーニング等のお手伝いをすることもできます
※お客様の希望の内容によっては、コースの変更をお願いする場合があります。あらかじめご了承ください。
※初回の方は無料で30分お試し頂けます。
※当店は会員制、完全個室となっております。お気軽にどうぞ。」
どうやらこの店は、縫いぐるみや着ぐるみを着た人と触れ合うことができる店のようだ。ここまでの説明からしてアレな店じゃないのか、と疑ってしまうが、至って真面目な個人店の様な気もする。店の名前を確認してみよう。
『ふわふわ屋(ふわふわや)』というらしい。随分と可愛らしい名前だ。
しかし、まてよ。確かに着ぐるみのシチュエーションに興奮してしまう自分がいる。だが、私が興奮してしまうのは着ぐるみの中の人だ。
現実問題として、着ぐるみの中の人の見た目が自分の好みじゃなかった場合、興奮できるのだろうか。むしろアニマルセラピーのような癒しを求めているというのに、中の人が出てきた瞬間に、現実に引き戻されてしまいそうだ。
いや、それ以上に、気持ち悪がられないだろうか?もしも俺が入ってパフォーマンスをしているところを誰かに見られたら、きっとこう言われるに違いない。「何やってるんだ、あの人」って。
うーん、まぁ、実際にやってみないと分からないか。初回30分無料ということで、お試しのつもりでやってみよう。
待ち合わせ場所は最寄りの駅から徒歩5分のビル。まずはHPを見てみよう。
「トップページの案内を確認いたしました。よろしければご予約をどうぞ。なお初回の方は、住所、氏名、年齢を名乗っていただき、公的な身分証の提示が必要となります。
予約が確定しましたら、時間と場所をお知らせします。当日は水色のラバー製リストバンドが目印になります。」
よく見ると、確かにファンシーな作りで、最低限のセキュリティは確保しているようだ。
なんだか、高級キャバクラのホームページのような雰囲気だな。ちょっと怪しい。絶対店員さんとか着ぐるみ着てるんだろうな・・・
でも、なんとなく気になってしまった。
次の休みの日に一度行ってみようか。
いやいや、ちょっと待て。こんなのは如何わしい店だろ?入ったら最後、何を要求されるか分かったもんじゃない。下手したら拉致られて高額な請求をされるかもしれないし。
頭を冷静にさせないと、俺はそう思いながら、デスクトップに置いてあるフォルダの中から、本日のおかずを探すことにした。しかし、俺の頭からは、さっき見た縫いぐるみセラピーの広告がなかなか離れてくれなかった。
俺がぐっすりと眠れるまで、あと数時間かかりそうだ。
たかが広告一つ見ただけで、こんなに興奮してしまうとは情けない話だ。
夢の中でも、縫いぐるみセラピーの広告の画像が何度も再生された。
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結局あの広告が頭から離れず、あれから数日後。俺は縫いぐるみセラピーの店を訪れていた。
最寄り駅から歩くこと15分。
雑居ビルの一画にその店はあった。外観は一見、古びた雑居ビルといったところか。エレベーターで6階まで上がり、目的の部屋の前まで来た。部屋の名前は『セラピールーム ピュア』。
何だこの部屋は。無機質な外観のビルだが、部屋の扉だけが異様に豪華だ。お堅い会社の受付を思わせる様な扉。いかにも高級そうなオフィスビルの入り口といった印象だ。こんな扉を開けるのもちょっと緊張する。
意を決して扉を開ける。
室内は明るくて清潔感があり、ふんわりと甘い香りが漂っている。 白のベースに淡い緑色の観葉植物や花が置かれていて、可愛らしい部屋だ。マンションの一室を改装した小規模なサロンのような造り。店員は一人だけしかいないが、その店員はスーツを着た女性だった。
「いらっしゃいませ、ご予約はされていますか?」
女性の店員にそう尋ねられて、俺は予約をしていなかったことを思い出した。
「予約をしてないです」
俺はそう答えると、彼女はスマートフォンのような端末を操作して、
「お待ちください。只今ご案内可能かどうか確認いたしますね」
などと言った。
一体ここはどんな店なんだろう。アングラな感じはしないものの、大きな声では言えない店だ。
一応、ホームページの注意書きを確認したところ、マスコットショーの様に、中の人の顔は見えないようだ。中の人を見たい、顔を出して欲しいなどという行為は禁止されており、もしも違反した場合は退店いただくとのこと。
俺は少しソワソワしながら店内をキョロキョロしていた。店内には俺と同じように、この店の利用目的であろうお客さんが数組いる。
店内は薄暗く、大型のテレビと数席のソファーが置いてある、待合室に通された。そこで、ふと目に留まった注意書き。カウンターで受付を済ませるまでの間、待合室で待つ間、そして案内されたお部屋に移動するまでの間の注意事項が書いてある。
“お客様へのお願い”
・ 店内での中の人の撮影、録音は禁止です
・ 縫いぐるみさんへの危害になる行為は禁止です
・ 店内での過度なアルコール摂取は禁止です
・ お客様の体調不良時の縫いぐるみさんのお部屋への立ち入りはご遠慮ください
「まぁ普通の注意事項か。いたって健全なお店みたいだな」
どうやら、店側がしっかりと運営しているようで一安心した。
ここは大分県の郊外。
こじんまりとした古びた一軒家を改造した店舗をたたずんでいた。知らない人から見れば、ここが件の店だとはわからないだろう。一見普通の一軒家に見える。ただ、暖色系の照明の下に、ひっそりと佇むプレートにはこう書かれている。
「縫いぐるみセラピー ヒーリングルーム」
俺は少し迷ったが、意を決してドアを開ける。
ガチャリというベルの音と共に、ドアが開く。
ドアの先は、アンティーク調のカウンターがあり、少し薄暗い。アロマか何かの匂いだろうか、とても良い香りが漂っている。落ち着いた雰囲気で少し高級感さえある。
「らっしゃいませ。ご予約の方はいらっしゃいますか?」
「あ、いえ、初めてでして。そのー、広告を見て」
少し強面の店員さんが対応してくれた。正直一瞬びびってしまった。もしかして、入った瞬間から店員に睨まれてしまうような店なのだろうか。俺が少し不安になっていると、店員さんは、あー、広告見て来てくれたんですね、と言って、
「少々お待ちくださいね」
とだけ言い残すと、奥へ引っ込んでいってしまった。
なんとなく不安な気持ちを抱えながらも、店内を見渡してみる。ホテルやカプセルホテルを彷彿とさせる様な内装で、受付の向かいには小さなロビーがあり、ソファとテーブルが置かれている。テーブルの上にはパンフレットやらチラシが置かれている。
薄暗い照明に、壁には大理石っぽい模様。大人の雰囲気が漂っている。
すると、奥の扉から恰幅の良い女性が出てきた。
「いらっしゃいませ。お電話での予約の杉谷様でよろしかったでしょうか?」
いきなり個人情報を言われて一瞬慌てたが、確かにそうだ。俺はこの店に来る前に電話予約をしていたのだ。いつの間にか俺は店の前に着いていたようだ。
「あ、はい。杉谷です。よろしくお願いします。」
気付けば俺は、いわゆるメンズエステとかにありそうな、少し高級感のある店の前に立っていた。
冒頭で話した通り、俺は最近見つけたこの縫いぐるみセラピーに来てみたかったのだ。そこの店員さんはと言うと、雰囲気のある落ち着いた空間に似つかわしい、大人の女性といった出で立ちだった。
このあと俺は個室に案内されて、そこで待っていたのは、等身大のケモノ系縫いぐるみだった。そう、よく巷でみかける、ゆるキャラみたいな、頭と胴体と手足が繋がった着ぐるみタイプだ。
ちなみに、完全個室になっていて、他のお客の視線は全く気にならない。
いや、正確に言うと、中の人も居ない着ぐるみが俺の前に置かれている状態なので
这是一间平平无奇的一居室普通房间。有桌子、沙发和床,没有窗户。墙纸是白色的,既不显可爱,也不烘托氛围。虽然干净整洁,却莫名冷清,给人一种刚搬进来的印象。
……嗯?
不过,这个空间里有一个明显的违和感。
明明放着床,床上却躺着一个把被子盖到嘴边、正在睡觉的“玩偶”。不用多说,一看就知道那是违和感的来源。
大大的浅粉色耳朵,圆溜溜的眼睛是绿色和蓝色的异色瞳。是猫吗……?啊!是那个网页上登过的猫玩偶……!
总之,不叫醒这孩子的话,什么都开始不了吧……。下定决心,我试着开了口。
「那、那个……」
虽然眼睛睁得大大的,却没有要动的迹象。能看到被子随着腹部的起伏上下动着。
看了一会儿也没有要动的迹象。我把手伸进被子里,试着摇了摇它的肩膀。
……被窝里,相当热……。玩偶,不,是玩偶服也相当烫,让我吃了一惊。而且还有点潮潮的感觉,大概是我的错觉吧……。
啊,玩偶动了一下……!刚一这么想,它就猛地从床上坐了起来。我忍不住“哇啊!”地发出了丢人的惊叫声。顺势跌坐在床边。
“喵啊~啊!有客人?……嘿咻……”
……好厉害。是有人在配合着玩偶服的声音说话吗……?感觉那声音像是很自然地从玩偶服里发出来的。完全没有那种像是里面的人透过衣物发声的闷闷的感觉。虽然玩偶服的嘴巴完全没有动。
话说回来,这玩偶的一举一动都可爱极了。虽然像是在模仿猫咪的动作,但那种喵喵叫的动作简直让人心头小鹿乱撞。
粉红色的猫咪玩偶服。上下穿着白色亮闪闪的睡衣似的衣物。手脚是奶油色的白吧?
和吉祥物或兽系人偶服不一样,全身被类似弹力绒毛的紧身绒毛覆盖着,身形非常修长。不过肚子、臀部和大腿附近倒是有点肉感。
屁股后面还有一条细长的粉红色尾巴。毛茸茸的很可爱。而且,胸部好像也相当丰满……
……
果然和网站上看到的一样!手脚是一体式的……躯干和脖子也是一体的!……太戳我癖好了……
而且……真的是那样吗!?背后拉链的拉链头上似乎挂着像是挂锁的东西……
嗯——,因为只是一瞬间瞄到,还没有确证。
……
可爱的人偶小姐。着ぐるみ。きっと、着ぐるみなんでしょ?这么一问的话,她肯定会说出“里面没有人”、“我是布偶”这种只有人偶才会说的约定俗成的话吧。这里还是应该把她当作布偶来对待吧。话说回来,该怎么说开场白才好呢,找不到话头啊……
就在我这么犹豫着,滴溜溜地上下打量她全身的时候,她肯定已经觉得我是个怪人了吧。
『真是的,您倒是给点反应或者说点什么呀~!呃,杉谷拓也……对吧?』
她先跟我搭话了。
「啊……嗯。你好,初次见面。我叫杉谷卓也,请叫我杉谷就好。请多关照。」
『杉谷君~♪可以叫你杉谷吗?』
「啊,好。当然可以。」
『喵哈哈~♪太好了♪那么今天请多关照啦,杉谷♪别坐地板上了,坐沙发吧喵♪』
就在我们忐忑地做完自我介绍时,刚才前台那位男性把点的姜汁汽水和一点小零食端了过来。
『来来~,先别管我了,先喝点吃点吧♪』
「好、好的。」
我紧张得连饮料喝起来都像白水一样。而且,视线不知道该往哪里放……没法直视胸口以上的部位……
『你不用那么紧张也没关系哦。啊,对了,你是第一次来的客人!那先自我介绍吧♪』
猫的玩偶穿着睡衣从床上移动,来到我坐的沙发前。
『欢迎光临~!欢迎来到玩偶疗法。我叫里诺!请多关照喵☆杉卓今天要和我一起在这个房间里待到时间结束哦♪你可以跟我聊烦恼、聊闲话,也可以一起玩游戏、一起学习!但是,不可以碰我哦!请注意这一点~喵~☆』
她时不时加上猫一样的语尾,穿插喵喵的姿势……太会撒娇了。简直太会撒娇了。但是,真的超级可爱不是吗……!
“啊,好的!里诺小姐,今天请多关照。”
『真是的~!杉卓太死板了~♪叫里诺就行喵♪』
“那……里诺……今天请多关照!”
『对对!请多关照,杉卓~♪』
“那、那个,里诺是缝制玩偶……对吧?”
『喵哈!我看起来像人类吗?我是猫咪缝制玩偶哦~♪你瞧你瞧♪全身都毛茸茸的吧?』
说着,在我面前滴溜溜地转了一圈,张开四根手指上带着肉球的手展示给我看。
……心跳停不下来。手汗也不正常。
“就是觉得好可爱,感觉真的是缝制玩偶……的样子。”
『谢谢~杉卓!但是,我可是真正的缝制玩偶哦♪不像戏服那样里面有人、热得要命、受苦受难什么的,绝对没有这回事的喵~♪』
“……”
我像是挨了一记看穿心思的直拳似的,表情肯定很精彩。
――是的。尽管依然只是一个猜测。
她把身体探过来,脸凑到眼前,用那双大大的绿眼盯着我看。
“是诚同学对吧?”
初次见面的女性用认真的眼神直呼我的名字。而且,从她的表情和语气来看,似乎对我有所了解。
我被那出乎意料的话语和直勾勾的注视弄得更加不知所措,视线在房间里游移。
说实话,我完全不明白。
“.......诶?”
我本来以为这里只是一家类似女仆咖啡厅的店,她刚才的发言把我定住了。
“……那个,您是哪位?”
尽管对方是棉绒玩偶,我感觉到一股无法言喻的压力,额头冷汗直冒。她无意识中散发出的威严,压迫着内心的某处。
她刚才的行为举止,让我稍稍感到了违和感。无论是说话方式、动作、还是举止,都和猫的玩偶一模一样,几乎像什么动物的角色扮演一样。尽管我看得入迷,却总觉得那不是演技。
另一方面,リノ似乎对スギタク的理解也很透彻,能看出他很紧张。
“哎呀,スギタク。你的手在发抖,是不是紧张?不用那么紧张啦,因为我会在这里陪你到你离开为止。”
リノ说着,温柔地笑了……虽然看不到她的表情。
「...嗯、リノ是缝制玩偶...对吧?」
『对呀?我是可爱的猫缝制玩偶哦☆所以,不会咬人也不会挠人,很安全的哦?』
本部分内容的翻译如下:这不过是一间普普通通的1K房间。有书桌、沙发和床,没有窗户。白底壁纸既不显得可爱,也没什么氛围感。虽说干净整洁,却总觉得有些冷清,给人一种刚搬来不久的印象。
……欸?
不过,这个空间里,存在一处明显的违和感。
那里放着一张床,而床上,有一只用被子盖到嘴边、正睡着的“缝制玩偶”。不用多说,那就是违和感的真面目。
大大的浅粉色耳朵,圆溜溜的眼睛是绿色与蓝色的异色瞳。是猫吗……?啊!是那个网站上登的那只猫咪玩偶……!
总之,不先叫醒这个孩子,就什么都开始不了……。我下定决心,试着搭话。
「那、那个……」
它的眼睛睁得大大的,却毫无要动的迹象。虽然能看出被子随着肚子的起伏而上下动着。
看了好一会儿,也没有要动起来的样子。我把手伸进被子里,摇了摇它的肩膀。
……被窝里,相当热……。玩偶,不,这身玩偶服也相当热,吓了我一跳。而且感觉还有点潮乎乎的,大概是错觉吧……。
啊,玩偶猛地动了一下……!刚这么想,它就从床上噌地一下坐了起来。我忍不住“呜哇”地叫了一声,丢人极了。一个踉跄跌坐在床边。
“喵啊~!?有客人?……嘿咻……”
……好厉害。是有谁在配合着玩偶的嘴型配音吗……?感觉那声音就像是玩偶自己发出来的一样。完全听不出是里面的人在说话,没有那种瓮声瓮气的感觉。虽然玩偶的嘴完全没动。
话说回来,它的每个动作都好可爱。虽然应该是在模仿猫咪,但那种猫里猫气的动作,让人心里痒痒的。
粉色的猫咪玩偶。穿着上下都是白色的、亮闪闪的睡衣一样的东西。手脚是奶油色偏白吗?
跟吉祥物或兽系玩偶不同,它全身被紧实的绒毛包裹着,像是什么弹性纤维材质,身形非常修长。不过肚子、屁股和大腿附近有点肉感。
屁股后面还有一条修长的粉色尾巴。毛茸茸的很可爱。而且,胸部也似乎相当丰满……
……
果然和网站上看到的一样!手脚是一体式……躯干和脖子也是一体的!……真是令人心动……
而且……原来真的是这样吗!?背上的拉链提手部分似乎挂着一个像挂锁一样的东西……
嗯,只是一瞬间瞥到了一眼,还没有确凿的证据。
……
可爱的缝纫玩偶小姐。着ぐるみ。肯定是着ぐるみ吧?要是这么问的话,“里面没有人”“我是缝纫玩偶”之类的、着ぐるみ专属的固定台词一定会满天飞吧。这里还是把它当作缝纫玩偶来应对比较好吧。话虽如此,该怎么搭话才好,起头好难啊……
我一边这样犹豫着,一边滴溜溜地打量着它的全身,估计已经被当成明显的变态了吧。
「真是的,请给我点反应或者跟我说说话呀~!嗯,杉谷卓也,对吧?」
它主动来向我搭话了。
「啊……嗯。你好,初次见面。我叫杉谷卓也,请叫我杉卓。请多关照。」
『スギタク君~♪我可以叫你スギタク吗?』
「啊,好的。完全没问题哦。」
『にゃはは~♪太好了♪那么,今天请多关照哦,スギタク♪别坐在地板上了,坐到沙发上吧にゃ♪』
正当我手足无措地做完自我介绍时,刚才的前台男子端来了我点的姜汁汽水和一些点心。
『来来~,先别管我了,快喝快吃吧♪』
“好、好的。”
我紧张得连饮料都尝不出味道,只感觉像白水一样。而且,目光也不知道该往哪儿放……我不敢直视她胸口以上的部位……
『用不着那么紧张啦。啊,对了,你是第一次来的客人吧!先自我介绍一下♪』
猫的着ぐるみ保持着睡衣的样子从床上起身,走到我坐的沙发前。
『欢迎光临~!欢迎来到缝制玩偶疗法。我的名字叫莉诺!请多关照喵☆杉卓要和我在这个房间里一直待到时间结束哦♪你可以跟我聊烦恼或闲话,也可以一起玩游戏、学习!但是,不可以碰我哦!请注意这一点~喵~☆』
她偶尔会加上猫一样的尾音,或是摆出喵喵的姿势……太会撩人了。太会了。可是,真的好可爱啊……!
“啊,好的!莉诺,今天请多关照!”
『哎呀~!杉卓太死板了啦~♪叫我莉诺就行喵♪』
“那……莉诺……今天请多关照!”
『对对!请多关照哦,杉卓~♪』
“那个,莉诺是缝制玩偶……对吧?”
『喵哈!我看起来像人类吗?我是猫的缝制玩偶哦~♪你瞧你瞧♪全身毛茸茸的吧?』
说着,她在我面前滴溜溜转了一圈,展示着四根手指上带着肉球的手,张开又合拢。
……心跳完全停不下来。手汗也不正常。
「好可爱,应该说,真的像缝制玩偶……这么想着……」
『谢谢~杉卓!但是,我真的就是缝制玩偶哦♪并没有像玩偶服那样,里面有人,热得要命、辛苦得不得了的事,是不会有的喵~♪』
「……」
总觉得像是被看穿了一样,迎面吃了一记直拳,我大概就是这样的表情吧。
……
在网上看到的信息果然是真的吗!手脚是连成一体的…… 胴体和脖子也是连成一体的!……也太让人兴奋了吧……
而且……真的是那样吗!?背后拉链的拉头上,好像挂着像是挂锁一样的东西……
嗯,刚才只是一瞬间瞥见,所以还不能确定。
……
这位可爱的“缝制玩偶”小姐。玩偶服。一定是玩偶服吧?如果我问出“你一定是玩偶服吧?”这种问题,对方一定会说出“里面没有人”“我是缝制玩偶”之类的、玩偶服惯例的台词吧。这里还是把她当作缝制玩偶来对待比较好吧。话虽如此,该怎么开口搭话才好呢,真不知道该怎么切入啊。
我一边这么犹豫着,一边滴溜溜地打量着她的全身,肯定被她当成变态了。
“哎呀,快给我点反应,跟我说说话吧~!嗯,杉谷卓也君,这么叫你可以吗?”
她先跟我搭话了。
「え、あ。はい。初めまして。杉谷卓也、スギタクと申します。よろしくお願いします。」
“杉卓君~♪我可以叫你杉卓吗?”
“啊,好的。完全没问题。”
“喵哈哈~♪太好啦♪那么今天请多关照啦,杉卓♪别坐地上了,坐到沙发上吧喵♪”
就在我忐忑不安地做完自我介绍时,刚才前台的那个男人把点的姜汁汽水和一些小点心端了过来。
『来吧~,先别管我,喝点吃点吧♪』
“好、好的。”
我紧张得连饮料喝起来都像白水一样。而且,不知道该把视线落在哪里好。。。完全不敢直视胸口以上的部位。。。
“不用那么紧张也没关系的。啊,对了,您是第一次来的客人吧!先来做个自我介绍吧♪”
猫的玩偶穿着睡衣,从床那边走过来,来到我坐的沙发前。
“欢迎光临~!这里是玩偶疗法。我的名字叫莉诺!请多关照喵☆杉卓要和我一起在这个房间里待到时间结束哦♪不管是来倾诉烦恼还是随便聊聊天都OK,一起玩游戏、一起学习也可以!但是,不可以碰我哦!请注意这一点~喵~☆”
“啊,好的!莉诺小姐,今天请多关照。”
“哎~!杉卓太死板了~♪叫我莉诺就好喵♪”
“那……莉诺,今天请多关照!”
“对对!请多关照,杉卓~♪”
“啊,那个,莉诺是缝制玩偶……对吧?”
“喵哈!我看起来像人类吗?我是猫咪缝制玩偶哟~♪你瞧你瞧♪全身毛茸茸的吧?”
说着,她在我面前滴溜溜地转了一圈,一边展示着有四根手指、带着肉球的手,一边握拳又张开。
……心跳停不下来。手汗非同寻常。
「非常可爱……不,我是说,你看起来真的像是缝制玩偶……」
“谢谢,杉卓!不过,我可是真正的缝制玩偶哦♪我才没有像玩偶服那样里面有人、热得要命那么辛苦呢~♪”
「……」
我的表情大概就像被人看穿了一切,脸上挨了一记直拳似的吧。
「对了,既然要一起度过这段时间,我可以问你一些事情吗?」
『嗯?可以哟,スギタク想问我什么呢?』
リノ在床上微微歪头。
「リノ这样(穿着这一身)睡觉,热吗?……虽然刚才我稍微摸了一下,但布団里相当热,而且好像还有点潮湿……」
『对,因为体温比较高,所以被窝里可能会有点闷热。不过这样睡得很安稳,我很喜欢。』
「这样啊……说起来,我有点在意リノ的尾巴,摸起来感觉是什么样呢?……啊不,不是说想摸之类的意思!只是,那个,毛茸茸的看起来好像很舒服,有点在意而已!」
『呵呵,是吗?那你要摸摸看吗?』
「え、いいんですか?」
『嗯!给スギタク特别奖励♪偷偷摸一下就好哦?』
そう言うと、リノはベッドから降りて、俺のところまでスタスタ歩いて来て、その場でクルっとお尻を向けて、尻尾をツンっとこちらに向けてきた。
〔卓也:おお~!触らせてもらいます!〕
俺はそう言って、恐る恐るそのしっぽに手を伸ばしてみる。
モフッ。
「あっ!すごい!すごいふわふわしてる!これ、本物のネコの毛で作られてるんですかね!?」
手触りが半端ない。スベスベでふわふわだ。低刺激で、無限に触っていられる気がする。鼻を近づけてみると、ふわっと良い匂いがする。
『うふふっ。何だかこしょばいですぅ。もう、スギタクはやんちゃさんだにゃぁ~♪』
いやいや、、、リノからは、ほんのりといい匂いがする。石鹸の香りみたいな、何だろう、この甘い香りは。
「あの、リノってなんの種類の縫いぐるみなの?ちょっと気になっちゃって。」
『んー?私は猫の縫いぐるみだよ?これでも、なかなか良い作りをしている方だと自分では思っているけどねぇ~』
「そうだね!ふわふわだし色も可愛いと思うよ。」
『でしょでしょ?にゃはは♪そう言ってくれると思って、ツボを押さえたデザインにしてもらったんだからにゃ~♪』
髪型や、顔回りを可愛く見せる方法を、人間の女の子がよく知っているように、縫いぐるみも自分を可愛く見せる方法を心得ているんだなぁ。
そんな軽い気持ちで初めてのセラピーに臨んでいた。
正直言うと、甘く見ていた。
ポンコツで不器用で不細工な俺が、唯一と言っていい得意なことがゲームだったから、元々ゲームをやることはそこまで嫌いじゃなかったし、まぁ、ゲームとかやっていれば時間も潰せるし悪くないかな、くらいの気持ちだった。縫いぐるみセラピーとかいう名前はちょっとアレだけども、暇潰しくらいにはなるんじゃないか、と。
それが、なんか、こう、物凄く緊張してしまう。同じ空間に居るだけで緊張する。何を話せばいいのか分からない。
俺は何か話題は無いかと、頭の中で必死に検索していた。
会話が無いのは苦痛だ。何か話さないと。何か話さなきゃ、と気持ちばかりが焦る。
そんな俺の内心に気づいてか知らずか、リノは口を開いた。
『じゃあ、まず今日はどういうふうに過ごしたいとか、どういうお話をしたいとか、そういうのがあったら教えてくださいにゃ♪』
「えっと、特にこれといった目的があって来たって訳じゃなくて、なんとなく興味を持ったっていうか、話し相手が欲しいなって思って来たのがきっかけです。」
『なるほどにゃ~。なんとなくで来たお客さんって、ほとんどいないのに珍しいわね。で、なんでもいいから話すこととか、やってみたいこととかなんでもいいから言ってみて?』
「えっと、じゃあお願いなんですけども。俺の名前を呼んでもらうことってできますか?」
『いいわよ?スギタク。そんなんでいいのかしら?』
「はい、十分です。ありがとう、リノ。なんか名前で呼んでもらえると、本当に友達になれた気がして嬉しいんです。」
『あら、スギタクはお友達が少ないのかしら?』
「んー、いや、友達はいますけど、なんかちょっとお願い事を聞いてもらえたり、家に遊びに来てくれるような友達はあんまり居ないんですよね。」
『にゃふ~ん。なるほどにゃあ。スギタクは基本的に、ひとりでいる時間のほうが多いんだね?』
「あー、はい。まぁ、休みの日は一人で昼まで寝てることが多いです。」
『ん~、じゃあ、今日は休日ってことかしら?』
「まあ、一応。今日はそういう日ですね。」
リノはすっと立ち上がり、何やら部屋の壁に備え付けられた棚に歩いていった。パジャマのポケットからガチャガチャと鍵を取り出して、俺に解錠するように向けてきた。棚の引き出しを開けて、何かを取り出している。コレは何だろうか?
見せてくれたのは、なんとクレジットカード型のラバーカードだった。あ、これで支払い、か。確か、あらかじめ支払いを済ませているとはいえ、念の為のクレジットカードの提示って、書いてあったな。
スギタクはリノの動きをじっと見つめていた。リノから手渡されたカードリーダーっぽいものに、恐る恐るカードを翳してみた。
『よいしょっと』
リノがぴょこんとベッドから降りた。背丈は100センチあるかないか位だろうか。小さいなぁ、というのが第一印象。
靴下を履いているのか分からないけども、足の指は人間と同じような形をしていて、その間は薄ピンク色の指の股のようなものが見えていた。指の数は左右とも4本のようだ。足の裏の肉球もピンク色だ。
そして、リノが俺に注文書のような紙を手渡してきた。
『これ、初回の料金表ってやつだにゃ♪一回限りのサービスだから、えーと、確かタダだったはず、だけど、もしよかったら後でコーヒーでも奢ってくれにゃ?と言っても、まぁ、どうせこの部屋の中のコーヒーになってしまうんだけどね~♪』
「あ、はい。分かりました。それじゃあ、是非。」
最初に受付で対応してくれた男性の説明で受付時に精算済みで、追加の料金がかかる場合はその場で支払うと聞いていた。そういうシステムなんだろう。新規料金、体験料金みたいなもの、ということだろう。
会話もそこそこに飲み物とお菓子を食べ終えると、だいたい30分程度経過していた。そろそろ、メインのセラピーといこうじゃないか。
─────────────────────────────
【シュミレーション開始】
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気づけば、あのリノちゃんがドッカリとソファの上に座っている。
「え、いつのまに移動した?」
などと心の中で思いながら、リノちゃんの表情を見た。何やら、メニューのようなものを持っている。別にA4の紙を三つ折りにしたようなものだ。
『はい!じゃあ今日はですね、ちょっとお話をしていく感じでいいかな?と思いますにゃ♪まずはお昼ご飯を食べて、午後は、お話したり、私のお仕事してるところを見学してもらって、またお話したり、といった具合になりまーす。あ、それと、お相手するのはこれで最後になっちゃうから、今日はおもいっきり楽しんでいってね♪』
なんのことかと思ったけど、リノの言う「お仕事」というのは、ユニークな動物が出演するテレビ番組みたいなやつだろうか? それとも、子ども向けのイベントでステージイベントとか?
気になってしまったので、聞いてみた。
「あの、リノ。リノのお仕事って、どんなお仕事なの?」
聞いてみたのはいいけども、結果から言うと、仕事の話は詳しくはしてもらえなかった。俺から仕事の話を振ったのに、あっさりとかわされてしまった。
『私はそのまんま、この部屋の“縫いぐるみ”として、みんなと過ごすお仕事だよ?強いて言うならー、スギタクを癒すことかな♪』
うーん、この話はあまり詰めないほうがいいや。初対面の人にそんなことをいきなり聞くのは、俺も野暮だったなと反省した。リノはこっちの事情を探っている感じはしなかった。まぁ、無理に深く詮索しないでおこう。
『今日は、スギタクと話し相手になってもらうだけでOK。難しいことは考えないでいいからね。まずはリラックスして♪』
そう言われたからには、甘えてリラックスさせてもらうことにしよう。それにしても、リノは本当に柔らかそうだな。見ているだけで癒やされるな。
こういう時に、俺はうるさいぐらいネコを飼っている友人の家で動画を撮って遊んでいたことを思い出す。なんかリノって雰囲気がその友人の家のネコにそっくりだなって思った。トラ模様のデブ猫なんだけども、リノの動きがそのコを思い出させる。それだけでなんだか凄く懐かしい気持ちになった。
やっぱり着ぐるみであって、なおかつ着ぐるみでない、何か特別な感じがする。胸元に猫のワンポイントがあしらわれた白いパジャマ。ふわふわした白いボアで縁取られたフード。こんなパジャマ、どこに売ってるんだろう?
まさかとは思うけど、中に人が入っている可能性は無いのか、俺は一応確認してみようと、軽い感じで聞いてみることにした。
「あ、あの、リノって、スゴイですね。動きがすごくなめらかで、人間みたいです。もしかして、中に人は入っていないんですか?」
『にゃーん?私はね、まごころを込めて作られた、りーの、ぬいぐるみよ。誰かが入ってるわけないでしょ~?』
「ま、まじっすか!あ、失礼しました。マジなんですね!」
『ええ、私はテクノロジーの結晶として作られた、ハイパー高性能ぬいぐるみさんなんだからね!』
何言ってんだか、中身はネコだし?マスコットや着ぐるみ、コスプレの類とも訳が違う。さすが現代の縫いぐるみは高性能だ。
ふと、俺は疑問に思う。リノは何のための目的でこの部屋にあるのか。いや、確かにホームページには書いてあった。“縫いぐるみセラピー”の内容として、縫いぐるみと会話や触れ合いをして、日頃の疲れやストレスを癒やしてもらうといったものだ。触れ合い、か。彼女、いや、彼女でいいんだろうか。リノのフカフカした身体を抱きしめたりする、みたいなことまでもが含まれているのだろうか。
そんなことを考えながら、わたしはチビチビと飲み物を飲んでいた。お菓子もポリポリ食べていると、リノはベッドから立ち上がると、俺の隣に座ってきた。
『ねぇ~、スギタクは何か悩み事でもあるの?』
「うーん、どうでしょう?ちょっと色々と迷っていることがある、といった具合ですかね。」
『むむ?迷い事かぁ。迷い事はね、一人で抱え込まないで、話せる相手に話すのが一番いいんだよ?リノでよければ、話を聞くにゃ♪』
「はは、ありがとう。じゃあ、ちょっと聞いてもらってもいい?」
『もちろん!何でもどうぞ♪』
そう言うと、リノはソファの隣にちょこんと座った。ベッドからは降りてきてくれた。やはり、よくできた着ぐるみだ。伸縮性のありそうな柔らかそうな白いパジャマ地に、全身ピンク色の猫の縫いぐるみ。目はキラキラした大きなオッドアイ。何度見ても可愛い。この部屋の空気を全部持っていかれそうな勢いだ。
それに、ふとした時の仕草とかも、いちいち計算されているんじゃないかと思うレベルで可愛い。コテンと首を傾げてみたり、髪の毛の変わりなのか、ちょこんと頭の上に乗っている大きなリボンを触ってみたり、なんだか動きの一つ一つが全部ツボにハマる。
「えっと、じゃあ、今日はリノ、よろしくね。」
そう言って、俺は一通りこの着ぐるみ、いや、縫いぐるみをチェックしてみた。胸元に、小さい花の刺繍が施してあるクリーム色のリボンがついている。よく見たら、さっき見たホームページに載ってたものとお揃いのデザインだった。
『うん!じゃあ、お互い様子見ながら、ゆったりしていこうね?スギタク』
そう言って、リノは猫パンチを2回空振りに、俺に挨拶をしてくれた。その猫パンチの仕草も可愛くて、妙に胸が熱くなった。
俺たちは自己紹介もそこそこに、雑談をし始めた。
『スギタクはどうやってこのお店を見つけたの?やっぱりインターネットが主流になってるのかしら?今時の子って感じだにゃ~♪』
「えっと、ネットサーフィンをしていたときに見つけました。ここって、もともとは“何でも相談所”みたいなホームページだったんだけど、今は“縫いぐるみセラピー”っていう看板を出しているみたいですね。」
『あー、うん。そうなんだよね。なんか、色々あって、今に至るんだよね。』
それからリノと俺は、暫く雑談を楽しんでいた。聞けば、リノは縫いぐるみのくせに、とても博識で、ビックリした。将来の夢についても聞いてくれたり、こちらの趣味の話をしても、ちゃんと興味を持って聞いてくれた。ときには、何かを考え込むような仕草を見せてくれたり、クスッと笑ってくれたり。
「リノって大人な感じだね。そのクセに、ニャンとか言ってて可愛いし、ギャップがすごいなぁ。」
すると、リノはニヤッと笑った。ドキリとする表情だった。ちょっと大人っぽい雰囲気のある笑顔で、ドキッとした。
『大人に見える?にゃはは~。ボクの中身はこれでも成人してるからね?』
中身、って...。
「あ、あはは、確かに。中の人って言うのかな?そういう表現が正しいか分からないけど、中身が成人しているのは分かるよ。」
『にゃはは~そうでしょ?まあ、私のことはともかく、スギタクのことについてお話でも聞かせてくれないかにゃ?お悩みとか。あ、もちろん話したくないことは無理にとは言わないけどね?』
リノがベッドの上で体育座りをしながら、そんなことを聞いてきた。柔らかそうなお腹がプニっと潰れている。
ドキドキしてうまく話せるか不安だったけど、リノがゆっくり話を聞いてくれるものだから、なんとか自己紹介もそこそこに、普段の生活での悩みなんかを話せた。
最後には気分がすっきりとした。これが、縫いぐるみセラピーってやつか。
「ねぇ、リノ。どうして、俺の名前を知ってたの?」
『ん~?何のことかしら?』
「だって、俺の名前を最初に呼んだじゃん?さっき名前を名乗る前にスギタニタクヤって言ったよね。」
『あー、にゃ。受付の子がスギタニタクヤくんって教えてくれたのよ~。手帳の記入を忘れないように、とか色々言われてたでしょ?』
あぁ、なるほど。受付の男がリノさんに俺のことを伝えてくれていたのか。
『さてさて、時間もまだまだあるし、折角だし何して過ごそうか?私はスギタクと何をしても楽しいと思うけどね~♪』
「じゃあ、俺の話し相手になってほしいです。今、進路のことで迷ってるので、色々聞いて欲しいんです。」
『おっ、いいですね!そういうお話大歓迎ですよ♪』
そう言うとリノさんは、パジャマ姿のまま再びベッドの上に戻って、ちょこんと座った。そして自分のお腹の辺りをペシペシと叩いた。
『スギタクはソファに座ったままでもいいけど、ここでもいいよ?』
「あ。じゃあ、ベッドの端に座らせてもらおうかな。」
そう言って、俺はベッドの端に座った。
リノさんは、まだ胸のあたりから下を触ってはいけない雰囲気を放っていた。少なくとも俺は感じていた。
それは何となくだけど、ピンク色の猫の着ぐるみを相手に取ってみたとしても、本物の人間の女性を相手にしているような緊張感があった。そんなに身体が大きいわけでもないのに。
『それで、今日はどういったご用件でしょうか?悩み事を聞いてほしい感じなのか、それともお喋りがしたいだけなのか、まずはそこを教えてもらえるかしら?』
リノが俺の目をまっすぐ見つめながら言った。目を離すと、何か悪いことでもしているような気持ちにさせられる。その目力の強さにはちょっと気圧されてしまった。
「えっと。リノさん、悩みを聞いてほしいっていうか、俺の気持ちをただ聞いて欲しかったんです。それで、このホームページを見つけて、話を聞いてもらおうかなって思いました。内容は、ほんと気持ちの整理をしたいっていうか、普通に誰かに聞いて欲しいっていう気持ちだったんですけど、実際対面すると、ちょっと面と向かって話すのは気まずいなと思っちゃって。」
『うんうん。そういうものだと思いますよ?誰かに話を聞いてもらいたいけど、どの口から話せばいいのか分からないようなことはよくあります。だから大丈夫、リノがゆっくり聞いてあげますからね♪』
にゃあ、と鳴きながら首を傾げて、話を聞く姿勢に入ってくれた。
そんな仕草が、また可愛くてつい口元が綻ぶ。
「ありがとう。なんか、言ってて自分でも情けなくなってきたわ。」
『ふふ。人間そんなものですよ。まぁ、どうぞ座ってくださいな。』
あれから数日後のこと。
「いやー。リノ、今日は何をしようか?」
『うーんと、悩んじゃうにゃあ。こういう時は、お勉強の時間にしちゃう?』
「あはは、リノは真面目だなぁ~。じゃあ、今日は読書にしようかな。」
『おっ!スギタク
话说回来,刚才那里面的人种种表现,简直就像是正受着煎熬、热得难受似的,到底……该不会里面的人真的就是那种状态吧……?可是那发烫的程度和肚子难受似的动静……搞不好还真没猜错……
在兴奋还未平息的当口,莉诺向我搭话道。
“呐呐!今天是你第一次来这儿对吧?是不是有什么契机让你来的呀?”
“网上的广告……看了主页,觉得莉诺你——特别可爱……”
“哇啊♪好开心呀♪谢谢你~拓也♪”
说完,莉诺做出有些害羞的样子,叫了我的名字。我心想自己恐怕不由得心头一紧、脸都红了。
这时,莉诺突然朝着坐在沙发上的我,抓住我的手臂,猛地一把抱了上来。
“真的超开心的,为了奖励你来看我,让我稍微抱一下下♪”
一股好闻的香气飘来……我的手正埋在她胸前的沟壑里……心跳个不停。
可是——就在下一秒。
被她紧紧抱着,手臂贴着她肚子的时候,我感觉到手的位置大概在她小腹一带,
一阵“嗡嗡——”的震动传了过来。
第二话待续
https://necky.fanbox.cc/posts/2000969
【第五话:最终话】毛绒玩偶疗法
【第五話:最終話】縫いぐるみセラピー
让大家久等了,真的非常抱歉,足足等了5年……!
毛绒玩偶疗法的第五话:最终话已投稿至FANBOX!
【第一话】https://necky.fanbox.cc/posts/1817928
【第二话】https://necky.fanbox.cc/posts/2000969
【第三话】https://necky.fanbox.cc/posts/2232114
【第四话】https://necky.fanbox.cc/posts/2733045
NEW【第五话:最终话】https://www.fanbox.cc/@necky/posts/12665741
(字数:约10,000字)
特别地,,,将投稿毛绒玩偶疗法的第一话♪
玩偶装果然又闷又热,穿起来很辛苦吧。。。
※可能有错字或日语表达不当之处,敬请谅解。