露店に仕掛けられた罠
「特に異常はないわね。」露店が建ち並ぶ大通りにたたずむ女性が一人呟く。
茶色のスカートスーツに身を包んだ彼女の名前はフェイト・T・テスタロッサ。
時空管理局機動六課のエースの一人にして頼れる分隊長だ。
彼女を形容する特徴は魔導師ランク空戦AAA、若き執務官など様々だが、何よりも目立つのはその容姿だろう。
動く際に邪魔にならないようにか、リボンを使って先端部分でまとめている腰より下まで届くかという艶のある金髪。
高い背丈にスカートから延びるスラーっとした長い足。
タイトなスカートにギャウギュウに張り付くムチ尻と対面すれば誰もが目がいってしまうほど目立つ胸の大きな出っ張り。
どこをとっても反論の余地を許さないモデル体型は、スーツを一切崩さずにしっかり着こなしているのにも関わらず、逆にそれが扇情的に感じてしまうほどだ。
そして何より、それらの体型に対して一歩も譲らない整った顔立ちだろう。
普段は高嶺に咲くユリの花の様に手が出せない美しさでありながら、一度微笑めば野原に咲くタンポポの様に身近で子供らしさが残る可愛さを表に出す、誰の心もときめかす美貌といっても過言ではない。
町中で通りすがったら男女問わず10人中9人は振り替える、そう称するに値する外見は、下手な肩書きなんかよりも多くの人の心にフェイトという存在を刻み込んでくれる。
そんなフェイトが、こう言ってしまうとアレだが、そこまで賑わっている訳でもないこんなところにいるのはもちろん仕事がらみの事があるからだ。
この間、機動六課のシステムがこの辺りで一瞬だけ強い魔力反応を感知したのだ。
六課以外のシステムでは検知はされてなく、また、反応も一瞬だったので誰もが誤作動だと考え、調査は行われないことになった。
しかし、執務官として多くの事件に関わってきたフェイトにとって、この些細な出来事は見過ごすことのできないことであった。
そこで、フェイトは休みの日に一人、誰にも言わずにこっそりと調査にきたのだ。
「私の気にしすぎだったのかな……?」
しかし、その休日返上の調査も幸いなことに杞憂に終わったようだった。
「この場に来ても、どこにも魔力は感じられないよね……? 怪しいものも無さそうだし……」
いや、正確に言えば怪しいものもあると言えばある。
それは露店の商品だ。
ここらの露店は多種多様の人物が勝手に商品を並べて、商売をしている。
そのため、中にはどこから持ってきたのかわからないお面や不気味な人形などが売られていたりする。
しかし、それらのあからさまに怪しいものからは何ら魔力は感じないし、以前資料で見たことのあるロストロギアのどれとも一致しない。
精密に調べれば何かわかるかもしれないが、正式な捜査でない以上、深く聞き込みをしたり、商品を提出させて検査するなどの芸当は不可能だった。
「ああいったのは、なのはの世界でもあったしなぁ……ふふ」
結局そのどれもを、修学旅行先にあった下手物お土産と同類のものだ、半ば乾いた笑いをだしながらそう認識することしかできなかった。
「まあ、せっかく来たんだし、ヴィヴィオになにか買っていってもいいかな」
フェイトは品物を物色する理由を、自分の娘のような幼い女の子へのプレゼントを買うことに切り替え、露店を再び見て回った。
フェイトは子供に対して過保護になりすぎる一面があり、どこかに出掛けては、こうして何かを買ってくるのだ。
最近はあまりにも量が多いとのことで、なのはやアイナさんに度々怒られているが、それでも一向に改善の兆しは見受けられない。
「そこの美人なお嬢さん。何をお探しだい?」
不意に声をかけられた方を振り向く。
そこにはこれから冒険にでもいくのかと思うほど大量の荷物の入った大きなリュックを背負い、サングラスに口ひげを蓄えた「いかにも」な男性が立っていた。
「いや、なぁに。さっきからちょくちょく見てたが……やたらとこの通りを行ったり来たりしてたから気になってな。」
唐突に話しかけてきた男を前に身構えているフェイトに対して、男は自分は不審者じゃないぞ、と言わんばかりに、少々慌てぎみな調子で言葉を放った。
それを聞いたフェイトは自分の行動が監察されていたこと、気づかないうちにそんなに怪しく見える行動をとっていたことに困惑と恥ずかしさを覚えた。
「えっ、あ、その……娘、のような女の子に渡すプレゼントでもないかなぁ~と。」
嘘は言っていない。
実際、今のフェイトはヴィヴィオへのお土産探しに奔走して、露店を行ったり来たりしていたのだから。
「なら、俺んところの商品も見ていくかい? どうせまだ目ぼしいものも見つけてないんだろう?」
男は若干黄ばんだ歯を見せながらにたりと微笑みかける。
「う、う~ん……。まぁ、そうね。それじゃあ、少しだけ失礼させていただきます。」
ここで断るのも相手にとって失礼である。
生真面目なフェイトにとって、申し出を断れる道理はなかったのだった。
そのまま、フェイトと男は大通りを外れ、脇の細道へと入っていった。
今日は既に他の出店に陣取られ、商品を広げて見せたくてもできないからだそうだ。
普段のフェイトなら、この段階で多少警戒を強めるが、今は過保護のママさんモード。
加えて、男の理屈自体も決して無理のあるものではなかったため、ここに至ってもまだ、無警戒であった。
しばらく歩くと、多少なりとも開けた場所に出た。
表の大通りとは違い、人の気配はまったくなく、商売をするには向いてないが、連れてきたお客に商品をじっくり見てもらうには十分な環境だった。
「ささ、それではうちの商品を見てもらいましょうか。」
男は手際よくシートを広げ、リュックの中から商品を綺麗に陳列していく。
娘さん向けならこいつはダメだな……、こっちはウケ狙いならありかな? など、ぼやきを入れながらもしっかりと男なりの考えをもって、幼い女の子に喜ばれる商品を取り出していった。
「すごいなぁ。」
商売とはいえ、相手のことを考えて熱心にオススメ商品を選んでいくその姿に、フェイトは好感をもつ。
それと同時に、取り出された先から、商品を一つ一つ目に入れていった。
「ほんと、なんでもあるんだなぁ。」
ウサギやオオカミなど、動物をモチーフにしたぬいぐるみやガラス細工、玩具の杖や剣、子供が好きそうなよくわからない形のモニュメントや、多種多様のアクセサリー……まったくもってとりとめのない雑多な品々が次々と並ぶ。
そして、そのどれもが確かにヴィヴィオが喜びそうなものばかりであった。
ためしに、その中にあった女の子の着せ替え人形に手を伸ばす。
滑らかな肌触り、適度な柔らかさ、一本一本整えられて生えている決め細やかな髪……こういった類いのものに対して異常に技術が高いなのは達の世界でもお目にかかることのない精巧な作りに、思いがけず心を奪われてしまう。
「みんな、こんなクオリティ高いのかなぁ……?」
男が商品を出し終えたのを見計らい、人形を元の位置に戻し、改めて商品に対して目を移した。
「さっきまでとは別の意味でどれにしようか迷うなあ……って、アレ、何だろう?」
フェイトが気になったのは、男が今しがた取り出したばかりの箱であった。
その箱は縦に長い直方体で、全ての面が玉虫色に鈍く輝いていた。そして、それ以外の情報はいっさいない。
商品名も書いてないと言うことは、パッケージではなく、それ自体がオルゴールなどの商品なのだろうか?
フェイトの視線に気づいた男は、箱を手に取り、フェイトの前へと差し出す。
「綺麗だろう? これが一体なんなのか、中身はどうなっているのか……そいつは開けてみてのお楽しみよぉ。」
気になるなら開けてみろ。
そう言わんばかりの態度に、フェイトは思わず差し出された箱を手に取る。
この場で開けさせると言うことは、ランダム封入の類いではなさそう。
先ほど想像した通り、オルゴールなどか、もしくはビックリ箱の様なものかもしれない。
鬼が出るか蛇が出るか……心の準備を終え、フェイトは蓋を開いた。
「えっ!?」
箱が開いた直後、フェイトは手から箱を滑らせ、後ろへと地面を蹴り、その場からとっさに離れようとした。
なぜなら、箱の中からこれまで一切感じることのなかった、強力な魔力がむせ出てきたからだ。
しかし、素晴らしい反射神経と気転も意味をなさなかった。
「きゃああぁぁぁ……」
箱から離れようとしたフェイトに容赦なく箱の魔力が襲いかかった。
時間にして1、2秒程度だろうか。
サイズの差などお構い無く、フェイトは箱の中へと吸い込まれていった。
フェイトを中に収納したその箱は、重力になされるがまま、その場に乱暴に落ちていった。
「撒き餌はしておいたとはいえ……まさかこんな上物が網にかかるとはな……くくっ。」
その一部始終を見ていた男は不適な笑みを浮かべながら、おもむろに箱を拾い上げた。
箱の中のフェイト
「いやあああああ!!?」バシャーン!
悲鳴と共に落ちてきたフェイトは水面に叩きつけられた。
「な、何が起こったの……?」
全身ずぶ濡れになりながらも、さっとフェイトは立ち上がり、辺りを見回す。
かなりの高さから落ちてきたような感覚があったが、不思議なことに、特に痛みも外傷もなかった。
「ここって、箱の中なのかな……?」
自分に降りかかった直前の出来事を思い起こしながら、自信なく自分のいる場所を口にする。
半信半疑なのは無理もない。
箱の中というにはあまりにも、空間が広すぎるーーいや、そもそもフェイトは本来、箱よりも何倍も大きかったわけだから、箱の中に入っているというのもおかしいのだが。
とにかく、四方八方、どこに目を向けても常闇。
箱の壁らしきものは全く見えない。
そして、ふくらはぎの辺りまで浸かる液体の存在。
先ほどフェイトが手にしたときは、何かが入っている、特に液体のような分かりやすいものが入っていた感覚は一切なかった。
「とにかく、ここを抜け出さないと……。」
上から落ちてきたのだから上に向かえば出口に近づく。
そう考えたフェイトは全速力で直上へ飛び立った。
そして、数分間飛び続けたフェイトは、突如上昇をやめ、その場に滞空した。
「おかしい……本来なら、とっくに蓋にでもぶつかっているはずなのに……。」
フェイトは機動六課において、もっともスピードに特化した魔術師だといっていい。
バリアジャケットに身を包んでいないとはいえ、そんなフェイトが全力で上空へと向かっていれば、本来ならばとっくに雲を突き抜けた遥か上にいてもおかしくない距離である。
にもかかわらず、未だに天井、つまり蓋の存在が確認できないのは不可解である。
例え体が縮んでいる影響だとしても、落下してきた際の時間と照らし合わせても筋が通らない。
「これは、逃げられないように結界が張られてると思った方がいいかな……?」
フェイトは試しに飛行をやめ、液体の待つ床へと滑空していった。
すると、落ちるまでに多少時間はかかったが、やはり先ほどまで上昇にかけていた時間とは比べ物にならないほど短い時間で床へと降り立った。
「一定以上の距離に行こうとすれば、その場でループするような仕組みみたいだね。これじゃあ、上からの脱出は無理か……。」
ここが箱の中だとしたら側面の壁を破壊したら出られそうなものだ。
だが、おそらく結界の影響で壁までたどり着くこともできないだろう。
「小さい入れ物に吸い込まれて、さらにその中は無限に広がる脱出不能な空間……なのはの世界にもこんなお話があった気が……東遊記だっけ? それとも最遊記?」
国语不好、又不是读童话年纪的菲特,凭着模糊的记忆,回想起与自己当前处境相似的故事展开。
“如果接下来的发展也一样的话……!?”
在脑海中记忆重合的菲特立刻浮到空中,试图与液体拉开距离。
“再这样下去……我会被溶掉的!?”
在菲特知道的故事里,被吸入的东西会随着时间推移被溶解,最终变成酒。
如果真是这样,那么浸泡在这种液体里就糟了,她凭直觉感受到了这一点。
包括最初落水时在内,她的全身已经接触到液体了。
衣服被液体浸透,变得比平时重了好几倍,同时还在啪嗒啪嗒地滴着纤维无法完全吸收的水分。
“总之,再穿着这身衣服就糟了,得换掉才行。”
说着,她不慌不忙地把手伸进怀里,取出了一个黄色三角形的装饰品状物体。
“没马上用掉算是不幸中的万幸吧……?那么,上吧!巴尔迪什!”
“Sealing form. Set up.”
回应菲特的喊声,黄色的物体——菲特的智能魔导器巴尔迪什·突击(Valkyrie Assault)苏醒了。
刹那间,菲特穿着的棕色制服乃至内衣都崩飞四散,她开始展露自己原本的姿态。
然而,没过多久,以内衣为首的衣服重新构筑完成,缠绕在菲特身上。
带有金属光泽的耀眼长靴将深蓝色的长筒袜紧贴在美腿上,一条非常短的紧身裙包裹着臀部,注重活动便利性。
其上覆盖着军服风格的外衣,用腰带紧紧勒住纤细的腰肢固定。
腰带以下的外衣像裙摆一样向外展开,披拂着,进一步遮盖住紧裹臀部的裙子。
直发被两根黑色丝带束起,化作略显稚气的双马尾,身披与深蓝色衣服形成鲜明对比的纯白斗篷,变身完成。
菲特的外貌在眨眼间焕然一新,切换成了一点液体污渍都没有的防护夹克(Barrier Jacket)。
“也有对魔法的防护功能,这样暂时应该没问题了吧?”
她将手臂举到脸前瞥了一眼,然后一边扭动身体确认全身,一边喃喃自语。
“那么,接下来就是怎么从这里逃出去了。”
如果和故事里一样的话,盖子打开的瞬间应该就能逃出去。
然而,那个男人会不会打开这个盖子,即使打开了,之前的结界是否会消失,都极其令人怀疑。
“嘛,只能尽力一试了。”
菲特深深吸了一口气,丰满的胸部随之向前挺出。
然后,她将双手拢在嘴边,将刚刚积攒在肺里的空气一口气释放出来。
“喂——!!!给我出来——!!!!”
菲特对着不知道能否听见的男人放声大喊。
即使对方听见了,她也丝毫不认为对方会打开盖子,但现在至少能确认情况,如果能和男人对话,或许还能套出更多信息。
目前的状况对男人来说完全有利。
正因如此,她基于以往的工作经验判断,人在松懈时会不由自主地透露信息,这是基于这种心理的行动。
“再怎么吵闹也没用哦。”
突然,从遥远的高空传来低沉的声音,震得身体嗡嗡作响。
“谁!?是刚才那个行商吗?”
大概不会有别人了,但或许是体型差异的缘故,那声音的主人与刚才听到的声音简直判若两人,她不禁质问对方是谁。
“没错,菲特小姐。”
这声音果然还是刚才那个男人的。
而男人叫出了自己的名字,这让菲特感到困惑。
“你知道我……!?”
“那是当然。金发美人,机动六课的王牌……只要对时空管理局稍微了解点的人,谁都知道。”
得知自己被认出的同时,她也痛感到了自己认知的天真和警惕性的不足。
“你把我抓到这里打算做什么?想当人质吗?”
既然是知道她身份的犯罪,那肯定有某种目的。
如果想用她作为奈叶她们的人质,那背后肯定还有更大的目的。
不问清楚的话,即使逃出去,也可能无法阻止男人的图谋。
面对这个包含着如此盘算的、老套的问题,菲特却得到了意想不到的回答。
“做什么?我其实什么也不会做哦。只是,要请菲特小姐你别再做人了。”
“别再做人……?诶,什么意思……?”
无法解读对方话语的意图,菲特忍不住反问道。
而且,男人自己什么都不做,这又是什么意思呢?
“就是字面意思。从现在开始,你的身体会不断变化,变成不是人类的东西。”
“开什么玩笑——”
“做得到哦。靠这个箱子……不,是靠里面的液体的力量。”
“——!?果然,和那个会变成酒的东西一样,泡进去就糟了……!”
她感谢自己在危急时刻凭直觉逃离了液体。
“嚯,还有那种东西。那个也是失落科技(Lost Logia)吗?”
“那个也是,这么说这果然是失落科技啊。”
“回答正确。不愧是执行官大人。”
男人以嘲弄的口吻,肯定了菲特以问题回应问题的回答。
“准确地说,是把‘能将人类变质为其他物体的液体’和‘能将最近的女性吸入其中、内部包含无限空间的箱子’这两种失落科技,与我制作的能阻断魔力的彩虹色涂层材料组合起来的东西。”
“阻断魔力……所以面对面也完全感觉不到魔力啊。”
男人讲述的内容,与菲特这几天体验到的现象相互印证,各个碎片完美地吻合了。
“正是如此。虽然想着如果瞬间释放魔力,时空管理局会不会来人,但没想到居然能钓到这么一条大鱼。”
面对男人粗鲁的言辞,菲特忍不住反驳。
“请不要擅自把我当成你的东西。而且,‘大鱼’这种说法对人也很失礼。”
“你在说什么呢。从你进入这个箱子的那一刻起,你已经是东西了。”
“才没有,我还是人类。”
“现在是。但是,差不多要……”
男人一边投来怜悯的目光,一边说着煽动菲特不安的话。
那话语仿佛诅咒般露出了獠牙,菲特感觉到自己的身体发生了异变。
“什么……身体好重……?”
与刚才相比,身体感觉像铅一样沉重,同时脚尖却像麻痹了一样没有知觉。
“刚才明明还好好的,而且我已经没碰那个液体了……。”
对于在危急时刻浮到空中、之后就再也没落地的菲特来说,不明白自己身体变化的原因。
然而,听到菲特话语的男人却兴致勃勃地解释起了原因。
“那个液体啊,只要碰过一次就完了。它会从渗入身体的地方开始,一点一点地侵蚀进去。”
所以,男人说,迟早只要进了这个箱子,就会变得不再是人类。
毕竟,一旦被吸入,首先就会被狠狠地砸进液体的海洋里……
“怎么会……那……”
“如你所想,你已经无法逃脱命运了。时空管理局再优秀,救援也不会马上到,即使来了,在变化完成之前,恐怕也找不到阻止你变化的办法。”
菲特的心中有什么东西断裂了。
出于工作性质,她早已做好了面对死亡的准备。
即便如此,就这样无人察觉地,缓慢地、缓慢地,感受着自己不再是人类,自己的人生就此消逝的实感,是难以忍受的。
于是,内心的平衡崩溃的同时,身体的平衡也失去了。
“呀啊!?”
在空中笔直站立的菲特姿势崩溃,身体前倾,从空中被抛了出去。
“诶,为什么!?飞不起来,飞不起来……!?”
菲特拼命尝试调动魔力维持高度。
然而,身体却任由重力摆布,只是不断接近那片液体的海洋。
“嗯?这个反应,看来连连接核心和魔力流动的神经也受到了变化的影响呢。”
男人听着菲特的声音,预想着里面发生的事情,脸上浮现出下流的笑容。
或许听到了那个声音,从里面传来了菲特微弱的声音。
“怎么会……身体已经变化到那种程度了……。”
“当然,泡在里面变化会更快。我想再过不久就会完全变成东西了哦。”
仿佛要将菲特的心彻底击垮,男人又投下了追击的话语。
实际上,在没有接触液体的期间,变化速度就已经那么快了,现在再次全身浸入液体中,身体不再是人类也只是时间问题,这一点菲特也很清楚。
“你……打算把我变成什么……?”
即使知道了也无能为力,但已经只能开口询问的菲特,向男人询问自己的未来。
对此,男人“嗯……”地沉吟了片刻,过了一会儿才开口。
“嗯,菲特小姐嘛……就让你变成紧紧夹住男人胯下的自慰套(Onahole)吧。”
“自慰套——诶?”
或许是泡在液体里的缘故,身体感觉逐渐丧失的菲特,脑子里也瞬间一片空白。
“自慰套……?那个,男人们,那个,代替女性使用的那个……?”
在脑子里一片混乱的情况下,她像坏掉的唱片一样,机械地重复着单词。
然后,过了片刻,菲特发出了尖叫。
“什什什、什么想法啊你!!不要不要不要!!我才不想变成那种精液处理道具!”
“哎呀呀,菲特小姐居然会发出这种声音啊~。真是听到了不错的声音呢。光是这样,决定把你做成自慰套就值了。”
“你把我变成那种东西到底想干什么!?”
“嗯?那还用说,既然要做自慰套,当然是用来用或者当商品卖咯。”
“卖、卖掉!?”
“有什么好惊讶的。你不也刚才拿在手里感叹了吗?它会变成那么有价值的东西哦。”
听到男人的话,菲特想起了刚才拿在手里的玩偶。
“那个精致的玩偶……”
“因为需要打开箱子当诱饵嘛。虽然可怜,但那个碰巧在附近的孩子就被吸进去了。”
“就为了那种事,把无辜的人……!”
菲特怒火中烧,身体颤抖。
然而,除此之外她什么也做不了。
身体已经完全不听使唤,连握紧拳头都做不到。
“把人变成东西,夺走别人的人生,就那么想要钱吗!?”
无法理解这种为了获得财富,不惜将人变成商品的男人的思维,菲特发出了刺耳的谴责声。
然而,男人对此的反应比之前更加出乎意料。
「別に金が目的なんじゃないさ。金が欲しいなら、そのまま宝石やら貴金属に変えた方がよっぽどてっとりばやいだろぉ?」
男は単純明快に自身の目的が金銭ではないことを語った。
確かに、貴金属でできた女性型のインゴットの方が人形やら精玩具にするよりもはるかに値打ちものになる。
しかし、それゆえにフェイトには男の行動が理解できず、困惑するばかりであった。
「じゃ、じゃあ、あなたはなんのためにこんなことを……。」
フェイトの問いかけに対し、男は語る内容とは正反対な清々しいまでの笑顔を浮かべながら答える。
「俺はただ、綺麗な女性がモノに変り果てる、それを拝むこと自体が目的なのさ。」
「えっ……?」
「売るのだって、モノになった女が、何も知らずに買っていった奴に、これからそこらへんのモノと何ら変わらない扱いをうけるんだろうなぁ、って想像したらたまらなく興奮するからさ。」
「待って。」
「お金を得るのは副次的なものにすぎないのさ。」
「どういうことなの……!?」
男は簡潔に自分の目的を述べた。
その言葉はとてもわかりやすく、そしてとても理解できないものであった。
「わからない……あなたが何を考えてるのかまったくわからない……!!」
これまでいくつもの凶悪犯罪や難事件に挑んだフェイトでも、この男の犯罪に関する心理は理解の範疇を越えていた。
「わからなくって結構さ。今の心中を想像するだけでもゾクゾクするからねぇ。」
「ひぃっ……!」
先ほどまでとはうって変わった冷たくねっとりとした声に、背筋が凍り、思わずひきつった悲鳴をあげる。
そしてそれがフェイトの発する最後の声になった。
「おやぁ? 静かになったね。もう声帯まで変化が及んできたということかな。」
先ほどまで聞こえてきたフェイトの声が聞こえなくなったことから、男はフェイトの状態を察した。
「それじゃあフェイトさん。オナホールになった姿でまた会いましょうや。」
聞こえてるかどうか確認しようがない呪いをフェイトに対して送った後、男は再びどこかへ向かって歩きだした。
(やぁ……体がおかしいよぉ……変になってく……。)
(あ、何だか目が開けてられな……なのはぁ……はやてぇ……。)
オナホになったフェイトさん
あれからいくばかりの時間がたっただろうか。ここはどこかもわからない薄暗い部屋。
机とベッドの他にはざっくばらんに雑貨が並べてある。
その部屋の一角にある机の上に、玉虫色に輝く箱が置いてあった。
「そろそろいいかな?」
男は机の前の椅子に腰をかけると、箱に手を伸ばす。
「取り出すときは危ないからこうしないとな。」
手に取った箱を逆さに向け、蓋をあける。
どうやら、箱を逆さにしていると吸い込む効力は発揮しないようだ。
その証拠に、辺りに女性はいないとはいえ、箱は一切自分へと引き込む風を作らず、代わりに中からボトッと二つの物体を机の上に吐き出した。
机の上に新たに現れた物体は一つは半透明の黄色をしたグニグニする塊で、もう一方は折り畳まれた厚紙のようなものだった。
「こいつぁ最高の出来だ。売れば高額な値がつくだろうな。」
蓋を閉じ、箱をもとの位置に戻した男が、机の上の物体に目をやると、惚れ惚れしたように言葉をだした。
その物体は小さくなったフェイトそのものな見た目であった。
髪も決め細かに作られており、ヒマワリのように明るい笑顔をしている。
異なる点といえば、四肢が存在しないことと、おまんこに当たる部分が元のサイズのまま、小さくなった体についていることだろう。
この美しさにして、フェイトと同じ膣の締め付けを堪能できるオナホールなら、例え素性を隠してでも高額な値段がつくことに間違いない。
ポリシーに反して、これがフェイトであったとバラして闇の世界で売ろうものなら、フェイトに煮え湯を飲まされつつも欲情していた犯罪者どもがいったいどれだけの値段をつけて購入にこぎ着けるかわかったものではない。
「いや、これがあのフェイトなんだとしたら、ただ売るよりも……まぁ、そこらへんは運しだいだな。」
男は何か思惑を抱いたようだが、すぐにそれを振り払った。
男の趣向からすると唾が出るほどのシチュエーションを思い付いたようだが、自分一人ではどうしようもないことのようだ。
「ありえないだろうが、例え売れなかったときは俺が大切に使ってやるさ。それはそれで楽しみだしな。」
男はフェイト、いや、オナホの体を優しく撫でた後、机の端へと避ける。
そして、フェイトが着ていたバリアジャケットが変化したと思われる折り畳まれた厚紙を展開し、オナホを入れる「箱」を組み立て始めた。
「エロい服からできただけあっていやらしい箱だこと。この箱に入れられて売られていく機動六課の華であるフェイト……たまらないなぁ。」
明日以降、フェイトが体験するであろう顛末を思い巡らし、男は胸を踊らせる。
オナホになったフェイトさん ~フェイト視点~
うーん、ここは……? 私、生きてるの?フェイトの目の前から深い闇が晴れていき、見知らぬ天井、そして自分を除き混むように見ている男の顔をが網膜に写り混む。
(この男はっ! じゃあ私、外に出られたのね!)
先ほどまでとは明らかに異なる景色に加え、自分を捕らえた男が目の前にいることから、自分があの箱から出られたことを理解する。
しかし、つかの間に別の疑問が頭をよぎった。
(でも、なんでこの男はこんなに大きいの?)
そう、目に見える男と自分の距離を考えると、その男は自分に対して明らかに大きい。
巨人といっても差し支えがないほどの大きさであった。
「こいつぁ最高の出来だ。売れば高額な値がつくだろうな。」
その巨人から体全身にずしりと響くような声が発せられたのをフェイトは聞き逃さなかった。
(最高の出来……って、まさか私……っ!?)
言葉が耳に入るや否や瞬時に手足に力を込める。
(ダメ、やっぱり手足がまったく動かない……いや、感覚事態がまったくない……。)
ここで完全に自分の状況を理解する。
男が巨人になったのではなく、自分が小さくなってしまったのだと。
そして、人の体でもなくなってしまっているということを。
(私の体、完全にオナホになっちゃったよぉ……。)
男の売るだのなんだのという言葉が嫌でも耳に突き刺さる。
耳を塞ぎたくても、塞ぐための手はフェイトには存在しなかった。
「ありえないだろうが、例え売れなかったときは俺が大切に使ってやるさ。それはそれで楽しみだしな。」
(いやよ! 売られるのもあなたなんかに使われるのも絶対にいやっ! ひっ、触らないでぇっ!)
フェイトは男の一挙一動に拒絶の声をあげる。
が、男には全く聞こえていないのか、全く意に介さず、モノのように持ち上げられ、移動させられる。
意識がなくなっていたらどれだけ幸せだったであろうか。
フェイトは今、人間としての意識は持っている。
しかし、それを発することが出来ない以上、単なる精巧なオナホと変わらない。
正真正銘、人間でありながらオナホ扱いされてしまうのだ。
(お願い、みんな……どこかに売り飛ばされちゃう前に……私を見つけて……。)
フェイトは誰にも聞こえない声を漏らしながら、わずかな希望を懇願する。
自分を人間だと認識してくれる仲間たちが、自分を見つけてくれることを。